３選を決め、美恵子夫人と共に支援者から花束を受け取る湊屋氏（左）

　【羅臼】釧根管内で唯一の首長選となった羅臼町長選は、現職湊屋稔氏（５９）以外に立候補の届け出がなく、無投票で３選を決めた。同町では１９９５年を最後に町長選の選挙戦はなく、７回連続の無風となった。

　湊屋氏は午前８時半すぎに町富士見町の後援会事務所で出陣式に臨み、選挙カーで町内をくまなく回り、午前は羅臼漁協前、午後は中心部や役場前でそれぞれマイクを握った。

　立候補の届け出が締め切られた午後５時、他の届け出がなく当選が決まると、集まっていた支援者から歓声が上がり、事務所内は拍手に包まれた。

　先の道議選（根室地域）で６選した中司哲雄氏や管内首長らに迎えられた湊屋氏は「ありがとうございます」と集まった約４０人の支援者に深々と頭を下げ、万歳三唱しだるまに目を入れた。

　湊屋氏は、一番の課題に産業の創生と振興を挙げ「漁業資源が枯渇している中、事業者や働く人が持続可能で安定した収入を得られるよう、産業構造を思い切って変え、持続可能な羅臼の未来の道筋をつくる」と、１０年２０年先のまちづくりへの姿勢を強調した。

　湊屋氏は同町出身で函館大卒。町内の会社役員を経て２００７年に町議会議員に初当選し２期務め、１５年４月の町長選に出馬し初当選。根室とオホーツク管内の自治体と連携し実現した自動車用の「知床ナンバー」導入や、役場に「産業創生課」を設置するなど、地域振興に力を入れている。