全国郷土紙連合

全国12新聞社加盟kyodoshi.com

北海道から沖縄県石垣島まで、南北に長い日本列島。今日もどこかでホットなニュースが生まれる。

長野日報社

島崎藤村のめい・こま子の手紙 長野県諏訪市で見つかる

祖母の木原きく江さん宛てに届いた島崎こま子の手紙やはがきを保管し、スライドにして後世に残す伊藤文夫さん(右)

 明治、大正、昭和と生き抜いた文豪・島崎藤村の衝撃的な小説とされた「新生」に、「節子」として登場する、藤村のめい島崎こま子の自筆の手紙が、諏訪市小和田の伊藤文夫さん(73)宅から見つかった。こま子と幼なじみだった伊藤さんの祖母木原きく江さん宛てに届いた手紙とはがき。最近ラジオで特集されるなど、ひそかな「藤村ブーム」の中で、伊藤さんは「祖母がよく残してくれた。スライドにまとめて後世に伝えたい」としている。

 小説「新生」は1918(大正7)年から東京朝日新聞に連載された。モデルとなった島崎こま子(1893~1979年)は、家事手伝いとして藤村宅に住み込み、20歳の時に男児を出産、藤村は仏に逃避行した。帰国後関係が復活したが、30歳を前に一切を清算し新しい道を歩み始めた。

 こま子からの手紙とはがきは、姉の久子と上京した15歳のころ、きく江さんと文通したものだった。いずれも近況報告、古里を懐かしむ内容で、はがき裏面には、こま子の通っていた三輪田高等女学校の校舎が写っている。

 「お宝」は長年、伊藤家の仏壇の引き出しに和紙に包まれてあった。以前からその存在は聞いていたが、手に取ったのは今年の3月。その後、祖母のルーツを尋ね、木原医院を経営していた生家は当時、妻籠宿本陣の姉妹の島崎家と向き合っていたことが分かった。

 県文化財保護協会理事を務める伊藤さんは4月、南木曽町博物館の磯村和美学芸員に真偽を依頼。「きく江さんとは幼な友だちで、両家とも当時としてはインテリで、文通のやりとりができた」「三輪田女学校に通い、達筆で表現に文学的素養が感じ取れる」とし、「本物と思われる」と考察した。

 伊藤さんは、かつて藤村が自宅を訪れたと伝え聞く塩原晴彦さん(73)と手紙を読み下し、藤村、こま子が強く生き抜いた足跡も交えCDに収録。「手紙の存在がきっかけで『新生』などを読み、藤村文学に興味を深めると偉大な文学者を改めて実感した。次代の人たちが少しでも興味を持つきっかけになればうれしい」と話した。

関連記事

苫小牧市ロゴマーク制定記念 22日に切手シート発売

日本郵便北海道支社は22日から、苫小牧市のロゴマーク制定を記念したオリジナルフレーム切手の販売を始める。84円切手10枚から成るシートで1枚は市のロゴマーク、残り9枚はとまチョップが樽前山山頂に登...

荘内日報社

龍神様とご縁を結ぶ 善寳寺 「辰歳御縁年記念企画」始まる

 鶴岡市下川の龍澤山善寳寺で12年に1度の「辰歳(たつどし)御縁年記念企画」が始まった。本堂で祈祷を受けた後、奥の院・龍王殿を拝観し「龍神様」とご縁を結ぶ。このほか国の重要文化財に指定されている絵画「...

清見100%のロゼ 今年も 淡いピンクに磨き めむろワイナリー

 芽室町内のワイン醸造所「めむろワイナリー」(町中美生、尾藤光一代表)の、2023年ビンテージ「たのしむ 清見ロゼ」(1本750ミリリットル、4950円)が完成した。5月1日から販売を開始する。 ...

長野日報社

メルヘン街道、冬期通行止め解除 長野県

 長野県茅野市、佐久穂町境の国道299号(メルヘン街道)麦草峠(標高2127メートル)の冬期通行止め区間(138キロ)が18日、規制解除となり、小海町を含めた沿線3市町の関係者ら約150人が集まって...

加盟新聞社

カテゴリー一覧

アーカイブ一覧

アクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス

関連リンク