八峰町で「輝サーモン」今季初水揚げ 想定通りの重さに成長

八水が昨年12月から養殖してきた輝サーモンのうち約220匹を水揚げ(八峰町の岩館漁港で)

出荷に向けラベルが貼られた輝サーモン
八峰町の岩館漁港でトラウトサーモン「輝(かがやき)サーモン」の養殖事業を行っている八水(菊地陽一社長)は25日、出荷に向けた1回目の水揚げを行った。生存している約550匹のうち約220匹を揚げ、重さは最大で4・2㌔、平均3・2㌔だった。26日から市場に出回る。菊地社長(43)=同町八森岩館=は「想定通りの重さに成長させることができた。脂が乗ってうまいので、ぜひ味わってほしい」と話した。2回目の水揚げは5月12日を予定している。
サーモンの養殖事業は、ハタハタの漁獲量減少や漁船の燃料費高騰で苦境に立つ漁業者の収入確保や、漁師の担い手不足解消を目指して県が昨年度、県漁協に委託。実務は若手漁師らでつくる八水が担った。
2年目の今季は県の「秋田版蓄養殖フロンティア事業費補助金」と町の「つくり育てる漁業推進補助金」を活用し、八水の事業として昨年12月27日にスタート。重さ約800㌘の未成魚を昨季の倍の1千匹仕入れ、新たにいけす(7㍍×10㍍、深さ5㍍)1個を用意するなど規模を拡大。自動給餌機で餌やりするなど管理してきた。
今月24日に船外機船で5㍍四方の出荷用いけす(深さ2㍍)を養殖しているいけすの近くに設置。25日午前6時に八水の社員8人で作業を開始し、サーモンを出荷用いけすに移して船外機船で引っ張り、漁港に停泊していた八水副社長の千葉北斗さん(37)所有の漁船に横付けした。
午前8時ごろに水揚げ作業に着手。たも網でいけすの中からサーモンを次々にすくい、血抜きした後、箱詰めして重さを量った。重さは平均3・2㌔で、最大4・2㌔。その後、1匹ずつ「KAGAYAKI SALMON」「白神育ち 輝サーモン」などと記されたラベルを貼った。環境に配慮し、血水処理も行った。
菊地社長は「今季はしけに悩まされたが、想定していた重さに成長してくれて良かった」と振り返り、「ブランド化を目指して素晴らしい名前も付いた。八峰町では5月1日から『地物食堂どはち』で食べられるので多くの人に食べてもらいたい」とPRした。
水揚げは3回の予定だったが、サーモンの成長などを考慮して2回とし、次回は5月12日に予定。菊地社長は「最後まで気を引き締めて揚げたい」と話した。
水揚げされたサーモンは、伊徳(本社・大館市)の各店で26日に刺し身などにして発売。能代山本では能代市のいとく能代ショッピングセンター、能代通町店、能代南店、能代北店、二ツ井ショッピングセンターで販売する。イオン東北(同・秋田市)は27日に県内36店舗で刺し身をメインに販売し、能代市のイオンスタイル能代東、イオン能代店、マックスバリュ能代北店、三種町の琴丘店に並ぶ。このほか地元商店でも購入できる場合がある。
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