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「差別ない社会実現を」回復者の宮良さんら、学校で講演 ハンセン病問題

「人権を大切にする社会に」と呼び掛けるハンセン病回復者の宮良正吉さん=8日午前、同校体育館

 ハンセン病問題から学ぶ人権講演会が8日、真喜良小学校と石垣第二中学校で行われ、石垣市新川出身で回復者の宮良正吉さん(76)=大阪在住=と八重山のハンセン病問題を考える会代表の大田静男さん(73)が偏見差別のない社会の実現を訴えた。

 県保健医療部が2019年度から県内各地の小中学校で開催している取組み。市内では初開催でこのうち真喜良小では5、6年生の児童が約100人が参加した。

 宮良さんは石垣小4年時にハンセン病罹患が判明し、翌年に療養所「沖縄愛楽園」=名護市=に収容された。1961年に岡山の療養所内の高校に入学し、卒業後は大阪で就職。2001年にはらい予防法違憲国家賠償請求訴訟原告団に加わり、ハンセン病問題の解決と差別解消に取り組んできた。

 宮良さんは職場や地域で「差別を恐れ病歴を隠して生きた」苦悩を紹介。予防法廃止から26年が経過した現在も「いまだに問題が残っている」と指摘した。

 偏見差別を解消するために問題啓発と教育に取り組むことが重要課題であるとし「人の尊厳や人権を大切にする社会、八重山を目指す必要がある。皆さんも自分ごとに置き換えて考えてほしい」と訴えた。

講話に耳を傾ける真喜良小の6年生ら=8日午前、同校体育館

 大田さんは完治後も差別に苦しんだ回復者や家族の事例などを挙げ、「八重山には今でも偏見を恐れひっそりと暮らしている人がいる。これはゆがんだ社会だ」と強調。「ハンセン病への偏見や誤解を正していくのは勉強した皆さん。これから正しい知識を伝えてほしい」と呼び掛けた。

 今回の講演会で初めてハンセン病に触れた平良和悠さん(6年・11)は「今でも差別に苦しみながらひっそり暮らしていることを知った。皆と同じように暮らしてほしいと思った」と感想を述べ、「今ではコロナで差別を受ける人もいる。差別をしてはいけない、させてはいけない社会をつくりたい」と思いを新たにした。

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