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御神渡りの不思議に迫る 長野県諏訪市の伊藤さん、年報長野県地理に論文寄稿

論文「”なぜ”御神渡りは本州では諏訪湖にだけできるのか…」を年報長野県地理42号に寄稿し、研究仲間と意見を交わす伊藤文夫さん(左)

 諏訪湖の御神渡り(御渡り)を独自に調査、探求する、長野県地理学会員の伊藤文夫さん(75)=諏訪市小和田=は、年報長野県地理42号に、論文「”なぜ”御神渡りは本州では諏訪湖にだけできるのか… ~諏訪湖モデルへの探求~」を寄稿した。御神渡りが出現した2018年、御神渡りの判定と神事をつかさどる八剱神社(同市)の総代を務め、その時の研究録や総代仲間が観察した詳細な記録を基に、既存の研究論文、書物、新聞記事などを資料として、まだ謎の多い御神渡りの不思議に迫っている。

 伊藤さんは社会科の教員だった1986年、内地留学制度を使って1年間大学で学び、諏訪地方の自然現象と地域文化との関係を記した論文「諏訪地方における地域文化の地理学的考察」(87年発行)をまとめた。その後も先輩の地理学研究者らの刺激を受けながら、同神社の総代任期中に行われた観察や拝観式、注進奉告祭などに関わり、御神渡りと向き合ってきた。

 昨年、一昨年は寒波の到来などから、「御神渡りが到来するかもしれない」と期待を込め、湖周に観測地を決めて水温、氷のでき方を調べ、立石公園など高台からも観察。関係者らと情報交換も重ねた。

 論文は「諏訪湖の風土『御神渡り』」「御神渡り研究に関わる理科的・地理的な豆知識」「2018年の御神渡りのでき方」「御神渡りは諏訪湖にだけできる不思議なもの」の4章(17ページ)で構成。同市渋崎の岩本敏雄さんが18年に毎日湖上観察を続けた「監視日誌」、成長した氷が木の年輪のように見える写真、また研究仲間の塩原晴彦さんが撮影した神事の写真などを収録。これら全ての資料、データの出処元を明記している。

 本州で凍る湖はいくつか見られるが、御神渡りが見られる諏訪湖の水温、気温、風雨などの気候、浅い湖とその形状、流れ込む31河川など、諏訪湖にしか見られない特徴に注目。「神様が近くに鎮座している」ことにも触れ、「なぜ諏訪湖だけに…」の命題に迫った。

 伊藤さんは「温暖化などさまざまな条件から御神渡りの出現に不安要素が多い近年。論文として残し、多くの人たちに活用してもらい、学生らの研究のたたき台にしてもらえばありがたい」と話している。

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