山口市出身の声優、結城俊和さん（４７）が、１０００種類を超える国内外のボードゲームが遊べる専門店と声優教室を兼ね備えた「ＡＬＳＰＩＥＬ（アルシュピール）」を、道場門前１丁目にオープンした。 　

　結城さんは大内小、大内中、野田学園高の出身。中学時代から声優になりたいと考え、山口短大卒業後に上京。２４歳の時に「人造人間キカイダーＴｈｅ　ＡＮＩＭＡＴＩＯＮ」でデビューした。その後もアニメや洋画の吹き替えなどで声の出演を重ね、声優スクールの講師も担当。８年間で約３００人をマンツーマン指導した。 　

　新型コロナの影響で将来が見通せなくなる中、声優としての活動を応援してくれた祖母が２０２１年１月に他界。山口に帰省した際、偶然中心商店街の空き店舗を目にし、自分の経験を生かせる場所をつくることを決意した。 　

　店名の「アル」は、結城さんがインターネット上で名乗るハンドルネーム「アル隊長」から命名。シュピールはドイツ語でゲーム全般や遊び、演劇など幅広い意味を持つ。「詳しい人だとアルがやっているゲーム店とすぐに分かる名前」と説明する。 　

　店内には「カタン」「ウボンゴ」など、結城さんが趣味で収集したボードゲームがずらり。相席推奨のため１人でも気軽に来店できる。参加者の会話から人狼（じんろう）を見つけ出す「人狼ゲーム」や殺人事件をテーマとした推理トークゲーム「マーダーミステリー」が遊べる環境も整備した。 　

　声優教室では腹式呼吸や発声方法など基礎的なことから教える。年齢制限は設けず、本気でプロを目指す人なら誰でも受け入れる。 　

　結城さんは「ボードゲームを通じて新たなコミュニティーが生まれる場にしたい。声優はなるのも仕事を得るのも厳しい世界だが、プロに必要なスキルを伝授したい。声優界の松下村塾を目指す」と意気込みを見せる。 　

　ボードゲーム店は午後１～１１時。毎週水曜日は定休。声優教室は毎週日曜日の午前１０時～正午。詳細は同店（電話０９０－１３５２－４９１６）へ。