全国郷土紙連合

全国12新聞社加盟kyodoshi.com

北海道から沖縄県石垣島まで、南北に長い日本列島。今日もどこかでホットなニュースが生まれる。

北羽新報社

200年前の地酒復活 どぶろく商品「坂野泉」 能代市の伊藤謙商店

荷上場の菊池家が造っていた地酒銘柄を復活させ、4日に販売を開始した「坂野泉」

 能代市二ツ井町の伊藤謙商店が、荷上場に17代続く菊池家が200年前に造っていた地酒「坂野泉(さかのいずみ)」(720㍉㍑、税込み2310円)をどぶろくで復活させ、4日に販売を開始した。古文書を丹念に調べるなど、4年がかりで再現したこん身の新作であり、同店製造技術責任者の伊藤樹さんは「交通の要所、物流の拠点として栄えていた当時の荷上場村の様子を感じてもらいたい」と話している。
 米代川と藤琴川の合流地点に位置する荷上場は、古くから舟運の要所として栄え、荷上場と小繋をつなぐ川船は「一里の渡し」と言われて羽州街道最大の難所だったと伝えられている。荷上場という地名も多くの積み荷を扱ったことに由来するとされ、またかつては加護山精錬所があって大きな集落を形成していた。
 菊池家は荷上場で代々肝煎(きもいり)を務めるなどした名家であるほか、地元では通称「酒屋の家」と呼ばれている。しかし現在は酒は造っておらず、なぜ酒屋の家と呼ばれるのか不思議に思った伊藤さんが調べたところ、大地主であると同時にかつては酒造業を営み、「坂野泉」という地酒を造っていたことを知ったという。伊藤さんはここから「繁栄を誇っていた荷上場の歴史を知り、訪れるきっかけにしてもらいたい」と、「坂野泉」復活を決意。秋田公文書館にも足を運んで文書を丹念に調べ、荷上場の歴史や菊池家の来歴、当時の酒造りのレシピを研究し、4年に及ぶ試行錯誤の末に「坂野泉」をどぶろくで復刻した。
 古文書は解読不明な部分もあって正確な配合は分からなかったが、「昔は今より麹の配合が多く“濃かった”とされ、清酒だったとしても濁り酒に近いものだったはず」と、当時の酒造りの傾向に寄せて仕込み、「濃厚でコメの旨味(うまみ)、コクのあるものになった」と伊藤さん。ラベルは木製で、菊池家に残されていた木彫りの看板を元に書体をそのまま再現するなど、歴史を感じさせるデザインとした。
 伊藤さんは、「荷上場や菊池家の歴史を調べる中、地域で140年続く唯一の酒販売店として、荷上場でかつて造られていた地酒の復活を通して多くの人に荷上場の歴史を知ってもらいたい」と話していた。
 坂野泉の販売は伊藤謙商店でのみ行っている。

関連記事

紀伊民報社

春の運動会始まる 和歌山県田辺・西牟婁地方の小中学校で

 和歌山県の田辺・西牟婁の小中学校で、春の運動会・体育祭シーズンが到来した。18日から26日が開催のピークとなる。  18日には白浜町の白浜中学校(生徒100人)で体育大会があった。中央に並べ...

100年前に思いはせる 賢治ウオークに20人 苫小牧

詩人、童話作家宮沢賢治の来苫から21日で丸100年を迎えるのを前に18日、賢治が苫小牧で歩いた道をたどる「百年目の賢治ウオーク」が行われた。市民ら20人が参加。初夏の日差しが降り注ぐ中、当時の情景...

難失聴でもガイド楽しみたい おびひろ動物園でアプリや筆談体験会

 聞こえない人や聞こえにくい人でも、施設ガイドの説明を楽しみたい-。帯広市中途難失聴者協会(佐々木亜規子会長)は、音声をリアルタイムで文字化するアプリ「UDトーク」や筆談でガイドを楽しむ体験会を1...

荘内日報社

歴史と文化つなぐ26万6000点一括管理 酒田市文化資料館 光丘文庫オープン 「日..

 酒田市総合文化センターの旧中央図書館を活用して市が整備した市文化資料館光丘文庫(館長・金野洋和市文化政策調整監兼文化政策課長)が18日、オープンした。市立資料館、市立光丘文庫に加え、公文書館や埋蔵...

加盟新聞社

カテゴリー一覧

アーカイブ一覧

アクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス

関連リンク