牛馬祭でユンタを歌う新川字会の関係者ら＝3日午後、石垣市新川

　新川字会（唐眞盛充字会長）は3日、牛馬への感謝をささげる伝統行事「牛馬祭（ウシウマヌヨイ）」を新川地区のフツクニムルで執り行った。新型コロナウイルスの影響で、字会関係者のみが参加し、牛馬之碑の前で牛馬の無病息災を祈った。

　字会資料によると、むかし村の牛が次々と死ぬ事件が発生。そんな中、大嵩家の牛だけは病気にかかることなく元気にしていた。村人らが理由を尋ねると、「自分の田園の石盛に石碑を建立して牛馬の無病息災を祈願している」と答えた。

　村人らはその話を受け1894（明治27）年、ジーダカムルの南側に石碑を建て牛馬の祈願祭を行った。それが牛馬之碑発祥の地となっている。これまで同碑は2回移転しており、現在は本土復帰前の1971（昭和46）年に、現在の石垣あやぱにボウル近くに移った。

　牛馬祭は毎年旧暦9月己丑の日に実施。字会役員らは「富崎野ぬ牛なま・ユンタ」などもささげた。

　唐眞字会長は「ことしも人数を制限しての祈願だったが、120年以上も前から続く大切な行事を行えた。今後もしっかり継続していきたい」と話した。