商品化まであと一歩 アスパラ収穫機報告会 長野県伊那市
収穫適期のアスパラガスを自動で判別して切り取り、収穫籠へ入れる自動収穫機=伊那市西箕輪のJA菜園
長野県伊那市は8日、先端技術を活用したスマート農業の一環で試作しているアスパラガス自動収穫機の中間報告会を、同市西箕輪のJA菜園で開いた。収穫適期を迎えたアスパラガスを認識し、自動で収穫する自走式の機械で、昨年11月に初公開した初号機を大幅に改良した。今後さらに改良を重ね、商品化に近づける。
同市は県内有数のアスパラ生産地。収益性も高いことから市やJA上伊那は栽培の重点品目に位置付ける一方で、2020年度には県南信工科短期大学校や上伊那産業振興会、JA、県などでつくるコンソーシアムを設立し、収穫作業の負担軽減につながる自動収穫機の開発に着手した。 試作機はセンサーが収穫適期のアスパラを自動で判別。収獲用カッターを先端に付けたアームが近付き、茎を固定しカットした後、機械に付属する収穫籠へ入れる仕組み。
昨年以降の改良で、アームがうね幅全域に伸びるようになったほか、バッテリー容量を増やして作業時間を3時間から最長10時間に延長。パソコン操作から簡単なボタン操作へと改良した。
機械性能を高める研究をする同大学校電気システム学科の松原洋一教授(53)によると、現況でのアスパラ収穫率は「60~70%」。雑草を障害物として感知すると、収穫動作に移らない事例もあり、松原教授は「障害物の過剰認識を軽減するセンサーソフトの改良が必要」と説明した。
報告会には35人が参加。白鳥孝市長は「前回よりもかなり進歩し商品化に近づいたイメージ。収穫率をあと少し上げれば十分使える」と述べた。
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