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「徳川四天王」筆頭・忠次公の人物像 国際日本文化研究セ教授 磯田さん講演

公益大 酒井さん(酒井家当主)と門松さん(公益大准教授)加わり鼎談

 酒井家庄内入部400年を記念した講演・鼎談(ていだん)会が5日、酒田市の東北公益文科大学公益ホールで開かれた。2部構成で行われ、第1部は国際日本文化研究センター教授で史学博士の磯田道史さんが講演。第2部では磯田さん、旧庄内藩酒井家第18代当主の酒井忠久さん、門松秀樹公益大准教授による鼎談で、酒井家と庄内の400年について考察した。

 講演・鼎談会は、公益大後援会(上野隆一会長)が本年度総会に合わせて企画した。講演した磯田さんは1970年生まれ。社会経済史的な知見を生かして歴史上の人物の精神を再現する仕事を続け執筆の他、テレビ番組でも活躍。主な著書は映画化された「武士の家計簿」(新潮新書)など。NHKBSプレミアム「英雄たちの選択」に出演中。

酒井家初代・忠次公について述べた磯田さん

 磯田さんは「どうする忠次。こうして家康様」と題して「徳川四天王」の筆頭と称される酒井家初代・忠次公(1527―96年)の人物像について講演。忠次公を「徳川家康公の『諸葛孔明』」と評し、三方ケ原の戦い(73年)、長篠合戦(75年)における進言などから「諜報力、分析力、作戦立案に長けていた。何より徳川家全体の利益を考えた言動がとれた。良い家臣がいたことで徳川家が天下を取ることができた」と続けた。

酒井家と庄内の400年について考察した鼎談会

 引き続き門松准教授の進行で、磯田さん、酒井さんが鼎談。酒井家が庄内に入部した理由について磯田さんは「伊達政宗を抑え付ける『伊達ストッパー』が必要で、親戚に近い間柄として酒井家が選ばれた。庄内、桑名、彦根、長岡、会津と辺境地域に前線部隊を置いたが、これらの藩は忠誠心が高く幕末、死に物狂いで徳川のため戦った。家康らが設計した構造は幕末まで残った」と述べた。

 庄内藩第10代藩主・酒井忠器公を長岡に、長岡藩主を川越に、川越藩主を庄内に転封する命令を江戸幕府が下したことに対し、庄内の領民が防ごうとした「三方領知替え」について、磯田さんは「江戸時代に『殿様、行かないで』というのは珍しい。酒井家は質実で嫌われていなかったことに加え、お金のつながりがあった本間家の影響も大きい。ウィンウィンの関係ができていた」と語った。

 藩校・致道館の開設をはじめとした藩政改革について酒井さんは「7代・忠寄公は老中をやっていたため出費が激しく、加えて飢饉(ききん)・天災で農村が疲弊した。まずは農政改革を実行することになり、財政がうまくいった段階で、風俗を改めるため徂徠学を学ぶ藩校を建てるということになった」と述べた。会場で市民ら約500人が熱心に聴講した。

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