ミントの香りで防御 ツダナナフシ 小林助教ら研究
アダンに止まるツダナナフシの成虫(小林峻助教提供)
西表島や石垣島などに生息するツダナナフシ(ナナフシ科)が噴出するミントの香りのする液体は、ヤモリやカエル、クモ、カマキリなど捕食者に対して襲われにくくする効果があることが琉球大学理学部の小林峻助教らの研究で分かった。Entomological Scienceに掲載された。
ツダナナフシは、メスだけで殖えることができる単為生殖を行い、卵は海流に乗って分布域を広げると言われている。
アダンの葉などを食べ、人が手でつかむなどすると首のあたりからミントの香りのする白い液体を発射する。
研究では、この液体に捕食者に対する防御効果があるのかを調べるため、ホオグロヤモリやオキナワアオガエル、コアシダカグモ、ハラビロカマキリに採取した液を滴下。忌避行動をするか調べた。
また、液を持つ個体と持たない個体をヤモリなどのほかイソヒヨドリにも与え、その時の行動を記録した。
その結果、液を滴下したヤモリ、カエル、クモ、カマキリはいずれも忌避行動を示し、液を持つ個体を与えると、採食されにくくなった。
一方、イソヒヨドリは液を吹きかけられると忌避行動を示したものの最終的には捕食した。
小林助教は「このような防御戦略は、卵による海流分散という漂着先が不確実な方法で分散をしていることと関係しているのではないか」と話した。
論文は次のアドレスから参照できる。(https://doi.org/10.1111/ens.12508)
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