おもちゃや絵本のリユースコーナーが家族連れの関心を集めた（能代市役所大会議室で）

　高校生が中心となり、地球環境を考えるイベント「第３回アースデイ能代２０２４～地球をえがおに～」は28日、能代市役所大会議室とさくら庭を会場に始まった。おもちゃや絵本の再利用、食料を必要としている人のために持ち寄るフードドライブなどの取り組みを展開。持続可能な社会の実現に向け、一人ひとりが日常から始められることは何かを考えた。29日は同市落合の旧能代海水浴場でごみ拾いを行う。

　アースデイ（４月22日）は１９７０年に米国で提唱された。「地球環境を考えて行動する日」として、各地で取り組みが展開されている。
　能代での取り組みは、能代高の生徒有志が中心となって令和４年に第１回イベントを行った。３回目となる今年は同校の２、３年生７人と、ときめき工房ねま～るのメンバー、地域おこし協力隊員の計12人が実行委員会を組織して企画した。
　メイン会場の市役所大会議室には、家庭で眠っているおもちゃや絵本の回収コーナーが設置され、午前中から多くの家族連れが訪れて寄付。三留里子さん（39）＝同市御指南町＝は、長女（８）と長男（５）が使っていたプラスチック製の三輪車を託した。「友人からのお下がりだけど、まだまだ使える。誰かが大切に乗ってくれたらうれしい」と話した。
　ほかにもミニカーや縫いぐるみなどがたくさん持ち込まれ、来場者が気に入った場合は自由に持ち帰ってもらった。実行委によると、修理が必要なおもちゃは支援団体に託し、リユースにつなげてもらう。絵本は市内の幼稚園などに寄贈するという。
　 　フードドライブの取り組みには、コメ（10㌔）やインスタントラーメン、菓子などが寄せられた。集まった食料品は、フードバンク活動を行っている同市萩の台の浄明寺に活用してもらう方針。ペットボトルキャップもたくさん集まり、リサイクル企業に託すという。
　実行委は、能代高３年生の女子生徒２人が共同代表を務めている。このうち、石井瑶葉（たまは）さん（17）は「高校生が行動している姿を見てもらうことで、誰か１人でも『自分にも何かできることがある』と思ってもらうきっかけになれば」と話した。
　同校と能代松陽高の生徒約40人、市内中学生数人もボランティアで参加し、会場運営に当たった。来年度以降の活動継続に向け、実行委のメンバー確保が課題。共同代表の川村茉未（まみ）さん（17）は「今後、校内での活動報告が予定されている。興味を持ってくれる仲間を増やしたい」と語った。
　この日は、全国でアースデイの取り組みを支援している廣岡輝さん（52）＝東京都＝が来場。数年前、能代市内で行った講演会に地元高校生が感銘を受けたことが、能代で取り組みが企画されるきっかけとなった。廣岡さんは「行動を積み重ねることは、社会課題を見詰めること。若い世代が中心になって動いていることの価値は大きい。将来的に地域を担う存在になってくれる可能性もある」と話し、今後の活動継続に期待を込めた。
　会場では、輪になって打楽器を打ち鳴らす「ドラムサークル」や、森林について考える苗木ポット作り、せん定した柿の枝を使ったボールペン作り、生ごみ堆肥作りといったワークショップ（ＷＳ）も展開された。