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長野日報社

ルビー単結晶の育成低温化 長野県南信工科短大と信州大工学部

県南信工科短期大学校で記者会見する関係者

 長野県南信工科短期大学校(南箕輪村)と信州大学工学部(長野市)は、共同研究を進めているルビー結晶の人工育成で単結晶を溶液から育成するための新たな方法を発見した。従来育成には約1100度の高温が必要だったが、独自の方法を取り入れることで750度での育成に成功。世界初の発見といい、機能材料開発の新しい結晶成長法として今後の応用が期待される。研究成果はナノテクノロジーを扱う世界的な論文誌「Small」(スモール)の1月2日号に掲載された。

 構成する原子・分子が規則正しい配列になっている単結晶。宝石として知られるルビー単結晶は、ダイヤモンドに次ぐ硬度があり、人工的に合成されたものが時計の軸受けやコンピューター周辺機器の部品など工業材料として幅広く活用されている。

 単結晶の人工育成法はいくつかあるが、研究では不純物を混ぜることで物質の融点を下げ、結晶を作りやすくするフラックス法を採用。酸化アルミニウムと酸化クロムを溶質とし、酸化モリブデンを主成分とした溶媒から単結晶を育成する。

 従来の方法では1100度まで加熱し、溶媒を蒸発させることでルビー結晶(融点2050度)を合成していた。今回の研究では、溶質と溶媒の化合物をあらかじめ形成。これを加熱、分解することで生成した微粒子が単結晶に成長する現象を発見し、これまでの温度を大きく下回る750度での育成に成功した。

 18日には関係者が県南信工科短大で記者会見し、研究の経緯や成果を報告。低温育成を実現したことで、環境負荷の低減やこれまでにない材料開発に貢献でき、コスト面でも設備投資を安く抑えられる効果をアピールした。

 結晶成長の新しいプロセスを発見し、論文の筆頭著者を務めた県南信工科短大機械システム学科講師の鮎沢俊輔さん(35)は「最初に発見したのは3年ほど前。初めから意図していたわけでなく偶然できた。論文を発表でき安堵している」と心境を報告。今後については「今回は基礎的な研究。もっと追い続けていきたい」と意欲を示し、他の酸化物結晶育成についても同プロセスを応用していく考えを語った。

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