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北羽新報社

記録的大雨 能代山本の農業被害甚大

土砂で埋まった水田。農家にショックが広がっている(八峰町の大信田地区で)

 大雨に見舞われた能代山本の農業現場で、甚大な被害が発生している。水田への土砂流入や冠水、農業用施設の被害などが各地で相次ぎ、川からの土砂で埋め尽くされた圃場(ほじょう)も。各市町の19日までの調査で明らかになっただけで1200㌶超に及び、日に日に被害面積が増えていく状況。担当者から「過去にない状況だ」との声が聞かれる。農家は「経営に大打撃」「来年も作付けは無理かもしれない」と嘆き、営農支援策が求められている。

 「まさかここまでひどいとは」、「これ全部うちの田んぼだったのに…」。八峰町峰浜塙のはっぽう農園で代表理事を務める米森雄大さん(38)が力なく話す。
 同法人は27㌶で水稲を作付けしているが、今回の大雨で塙や石川地区の5㌶で被害が発生。塙川の川岸が決壊し、水田に容赦なく土砂が流入した。
 このうち大信田地区の水田は、農道の状態が悪く現地を確認できないでいたが、19日に初めて足を運んだ。圃場の大部分が土砂で埋まり、揚水ポンプは故障。周辺では大木が横たわり、電柱も倒れ掛かった状況だった。米森さんは「ひど過ぎる。復旧するにも大掛かり過ぎて、何をどうすればいいのか分からない。来年も作付けは無理だろう」と落胆を隠せなかった。
 昨年8月も大雨被害があったが、川岸が壊れるようなことはなかったとし、「ショックで、家で涙が出た。従業員もそれぞれ担当の圃場を決めていたが、被害を受け、みんな元気がない」と米森さん。ただ、出来秋に向け、少しでもできる所は収穫したいとの考えもあり、「来年の営農に響かないような支援策を考えてほしい」と、行政への切実な思いを語った。
 八峰町によると18日現在、水稲の冠水や土砂流入を中心に町全域で461㌶の被害が発生。日々現地を調査し、今後も増える見込みといい、「過去にない面積となっている。20日から県の協力を得て詳しく現地を調べ、国の復旧事業に該当するものを把握する。まずは状況をしっかり確認し、町としての支援を今後検討したい」と話す。
 三種町によると730㌶で農作物の冠水や土砂流入が発生したほか、18日から水路や揚水機など農業施設関係の被害届を受け付けたところ、同日だけで70件ほどが寄せられ、今後も増える見込み。「今までの大雨被害よりもエリアが広く、各地で発生している」と担当者。昨年の大雨で水稲のいもち病が多発したことを踏まえ、26日までに無人ヘリの防除をした人には経費の一部を補助する支援策を検討中で、個人防除する人にも薬剤の購入経費の一部を支援するよう考えている。
 藤里町では、被害の多さから集計できていないものの、水田への土砂流入やリンドウの冠水、林道の崩落などが発生しており、「昨年以上の被害規模になるのは間違いない。今後、被害面積や被害額を出していき、できるだけの支援策を考えていきたい」とした。
 能代市によると19日午後3時現在、能代地域で水稲30・6㌶、ネギ13・79㌶、大豆12・67㌶で冠水や土砂流入が発生。農業用施設は18日現在の集計で、能代地域で水路の決壊や農道の路肩決壊など49カ所の被害が発生している。二ツ井地域はそれぞれ調査中。市は「土砂流入などの農地被害は市の補助制度があり、対象者には支援する。合わせて、国・県の支援制度の情報収集・提供に努める。農家からも被害の情報を寄せてほしい」とする。
 一方、昨年8月の大雨では、同市で特産のネギに軟腐病が拡大し、農家の経営に打撃を与えたとあり、今回の大雨でも農家から心配する声が聞かれる。
 同JAねぎ部会長で大和農園の大塚和浩さん(61)によると、同法人では今回の大雨でネギが約100㍍ほど土砂をかぶったほか、風で4㌶ほど倒れたという。「他の農家のネギも倒れた。倒れて病気がつくこともあり、起こす作業を行っている」と大塚さん。雨に高温が加わって軟腐病が広がり、「みるみるとろけた」という昨年の状況とは今のところ違っているが、「多少は軟腐病が出てきている。今後広がらないことを願っている」と話していた。

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