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沖縄戦の悲惨さ「戦争にあるのは悲しみだけ」 酒田二中3年生 平和の尊さ学ぶ

沈没の「対馬丸」生存者 平良さん(沖縄在住)語り掛ける

 太平洋戦争中の1944年8月、「疎開船」として児童ら1800人余を乗せ沖縄・那覇から長崎へ向かう途中、米国海軍の魚雷攻撃を受けて沈没した「対馬丸」の生存者によるオンライン平和講話が1日、酒田市立第二中学校(島田茂樹校長)で行われ、3年生96人が画面越しに語り掛ける沖縄在住の平良啓子さん(88)の話に聴き入り、あらためて平和の尊さを学んだ。

画面越しに平和の尊さを伝える平良さん

 同校3年生は当初、修学旅行で5月末に沖縄を訪問し、現地で平良さんによる講話は聴講する予定だった。新型コロナウイルス感染症の影響で沖縄行きが中止になったことから今回、エージェントの協力を受けオンラインで実施。前週には先の大戦中、日本で唯一の地上戦となった沖縄戦の悲惨さについて「ひめゆり平和祈念資料館」の職員が同じくオンラインで講話した。

 児童ら約1800人を乗せた対馬丸は44年8月21日夕、護衛艦2隻に守られながら、他の疎開船2隻とともに那覇を出発したものの、翌日に魚雷攻撃を受けて船体が折れて沈没、約1500人が亡くなった。当時9歳だった平良さんも海に投げ出されたが、流れてきたしょうゆ樽につかまって難を逃れ、その後は2畳ほどのいかだで他の9人と共に漂流、大波やサメの恐怖、喉の渇き、飢え、睡魔と闘いながら6日後に奄美大島の無人島に漂着したという。

 生徒たちを前にした平良さんは冒頭、「対馬丸の経験はずっと頭から離れない。海を見るたびに涙が出てくる」と。「1人減り、2人減り」―。夜が明けるたびに同乗者が亡くなったという。依然として世界各地で戦争が続いている現状を踏まえて「戦争に勝ち負けはなく、あるのは悲しみだけ」と続けた。

 終戦後は小学校教諭となり、児童をはじめ多くの人にこの経験を伝えてきた。「嫌な思い出だが、語り継いでいかなければいけないこと。戦争は見苦しいものという気持ちを持ち、皆さんからは友好的な平和をつくり出す人になってもらいたい。残りの人生は短いだろうが、ずっと平和を訴えていく」と述べた。

 真剣な表情で話に聴き入った生徒たちは「悲しみしか残らないという言葉が印象的。悲しみは一生消えない。この話を後世に伝えていきたい」「話を聞き胸が苦しくなってきた。『平和をつくる人に』という言葉を胸に抱き、これから生活していきたい」と感想。講話を前に生徒たちは酒田市、酒田二中の概要を平良さんに紹介した。

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