
寒さに当てて干し餅を乾燥させる農家(三種町で)
能代山本の農村部で、干し餅作りが盛んに行われている。厳寒期に仕込む昔ながらの保存食で、作る人は少なくなってきているが、産地直売所などで今なお人気を集めている。手間と時間を要する作業だが、農家が自然の力を生かして製造に励んでいる。
かつて冬場の保存食として各家庭で重宝された干し餅。自家製造する家庭は減ったが、産直では根強い人気があり、会員の農家がそれぞれこだわりを持って製造。遠方に暮らす親戚や知人に「古里の味」として発送する消費者もいる。
三種町山本地域は干し餅作りが盛ん。同町外岡の内藤テツ子さん(76)は、15年ほど前から本格的に作り始め、今冬は今月上旬から取り掛かった。
材料はほとんどが自家生産。もち米を蒸してついた後、シソやヨモギ、ビーツ、コハゼ(ナツハゼ)、紅花などの材料や砂糖を入れて手でこね、木のだしに入れる。3日ほど置いて硬くなってから切り、ひもで編んだ後、屋外で一晩冷え込みと風にさらし、さらに1カ月ほど倉庫の中で乾燥させる。天気予報や作業の段取りに注意を払いながら慌ただしく進める。
倉庫内では緑や紫、ピンクなど色とりどりの干し餅がつるされ、圧倒的な量で冬の農村部ならではの光景を演出している。
干し餅は同町森岳のじゅんさいの館で2月20日ごろから販売。毎年完売する人気ぶりで、内藤さんは「天気や時間との勝負で、うまくいく時もあればいまひとつの時もあるが、今年は寒さが十分で、よく仕上がっている。手間はかかるが、お客さんがいるので楽しみながら頑張っている」と笑顔を見せた。
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