夏の風物詩、復活ならず シラヒゲウニ漁、解禁も人影なし 奄美大島

シラヒゲウニ漁が解禁されても採捕できるウニがいないため、人影のない奄美大島北部の海岸=1日
夏の味覚として親しまれてきたシラヒゲウニが今年も不漁となる見通しだ。漁が解禁を迎えた1日、かつてウニ漁をする人々で活気にあふれていた鹿児島県奄美大島の海岸に人の姿は見られなかった。漁師らは「ウニがほとんどおらず、いても水揚げできるサイズではない。稚ウニを放流しても育たないのが現状だ」と話している。漁の期間は8月末まで。

シラヒゲウニ
シラヒゲウニは濃厚な甘みが特徴。漁解禁日には海岸にビーチパラソルがずらりと並び、漁師らが素潜り漁で採ったウニを人々が浜辺で割る風景がこの時期の風物詩となっていたが、ここ数年は見られなくなった。
国の農林水産統計によると、奄美地域でのウニ類の水揚げは2012年度に26トンあったものの、13年度以降は10トンを割り込んでさらに激減し、18年度からゼロが続いている。不漁となった詳しい原因は分かっていないが、ある漁業関係者は「ウニの餌となる海藻の減少やこれまでの過剰漁獲の影響が大きいのではないか」とみる。
資源回復に向けては、各地域の漁業集落が稚ウニを中間育成して放流するなどの活動を行っている。奄美群島水産振興協議会は今年度、公益財団法人かごしま豊かな海づくり協会(垂水市)の指導の下、種苗生産の体制構築を目指すとしている。
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