芽室町の老舗菓子店「お菓子のまさおか」(正岡崇社長)は、町内の川合農場が作る、珍しい八列トウモロコシを使った新商品「フィナンシェ」と「ぷちぷちガレット」の販売を、21日から始める。どちらも150円。穀物らしい香ばしい香りや独特の食感が楽しめる芽室の新しいお菓子が誕生した。
新作のフィナンシェとガレットを販売する(右から)ありささんと正岡社長。隣りは川合拓男さんと咲江さん
八列トウモロコシは明治から昭和初期にかけて道内で最も多く栽培されていたとうもろこしで、名前の通り粒の列が8列。収穫後の扱いが難しいことから現在は栽培している農家はほとんどない。20年ほど前に町内の若手農家の中で「何か新しいことをやってみよう」という話の中で同農場の川合拓男さんが栽培を始めた。6年前に川合さんが、同級生の正岡社長へ製菓に使えないかと提案した。
八列トウモロコシの粉は水分量が少なくまとまりにくい特徴があり、正岡社長と妻で製造担当のありささんが試行錯誤を重ねた。粗さの違う2種類の粉を使ってフィナンシェとガレットに仕上げた。
フィナンシェは細かい粉でしっとりした食感。バターとトウモロコシの香りが鼻に抜ける。ガレットは中びきの粉を一度煎ってから使用し、プチプチとした食感が残っている。パッケージには川合さんの妻の咲江さんによる八列トウモロコシの断面のイラストをあしらった。
川合さんは「国産のとうもろこし粉はなかなかない。素材の良さや持ち味を引き出してもらった」と喜んでいる。正岡社長も「地元のものでお菓子になったのはうれしい。生産者の顔が分かると安全・安心にもつながる」と話した。
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