日本未記録の「ガ」確認 「シキナミヒトリモドキ」と命名 青木一宰さん採集
青木さんが採集したシキナミヒトリモドキ(提供)
八重山の昆虫を調査研究している青木一宰さん(58)=登野城=が採集したガがこのほど、日本未記録の「ヒトリモドキ」の一種であることが確認された。和名はしきりに打ち寄せる波目のような翅模様にちなんで「シキナミヒトリモドキ」と名付けられた。
青木さんは昨年5月25日、採集仲間とともに野底林道で夜間採集を行っていた。明かりをともすライトトラップを設置していたところ、仲間の鍵山智美さんが個体を発見。報告を受けた青木さんは見た瞬間に「これは日本未記録だ」と確信し採集した。後日専門家に問い合わせ、未記録ということが確認された。
採集したのはメスの個体で翅を広げた大きさ(開帳)は70㍉。在来種ではなく中国南部から南風に乗って飛来した偶産ガとみられる。国内未記録のガは年に数種類確認されているが、開帳10~20㍉サイズの種が多く、これほど大きな種の未記録は珍しいという。
青木一宰さん
青木さんは「興奮した。約25年採集を続けてきたがうれしかった瞬間のベスト3に入る」と喜びをにじませ、付けた和名についても「定着してほしい。多くの人に使っていただけたら」と期待した。 県営バンナ公園世界の昆虫館の円谷悦造館長(71)は「よっぽど幸運でないと未記録の採集は難しい。私が採ったら3日間は泣いて喜ぶレベル。本当にうらやましい」と話した。
普段はチョウを中心に採集している青木さん。「これを機にガを一生懸命採集しようかと思うくらいうれしかった。今後の目標はまだ成し遂げていない未記録のチョウをとること。健康のうちは採集を続けたい」と笑顔を見せた。
青木さんは今月発売された『月刊むし』(むし社)4月号でシキナミヒトリモドキについての報文を発表。標本は今後、研究施設に収蔵する予定。
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