井上井月の新句見つかる 長野県伊那市

井月の新句が貼り込まれた貼交屏風を見る井上井月顕彰会の北村皆雄会長(左上)
伊那市西町の花と器・小道具の店「草の音」が取り扱う貼交屏風から、伊那谷ゆかりの漂泊の俳人井上井月(1822~87年)の新句が見つかった。短冊に書かれた句は井月の真筆で、全集には記載がない。10日に同店を訪ねた井上井月顕彰会の北村皆雄会長(77)らが確認した。
井月研究の第一人者で顕彰会副会長の竹入弘元さん(88)=同市荒井=が、井月の真筆で新句だと鑑定。短冊には「短か夜をふみぬくあしや旅労」と書かれているという。
いつ、どのような経過で詠まれた句なのかは不明だが、字体から、後期のものとみられる。びょうぶには井月の句を含めて12点の句や書、日本画が貼られており、地元の作家のものが集められているという。「取り扱っている商品の中に井月の句があり、新句ではないかと調べていた」と同店。びょうぶは既に買い手が決まっている。
「新編 漂泊俳人井月全集」(井上井月顕彰会発行、2018年刊)には既刊の全集発行後に見つかった新句を含む1741句を収録しているが、新編発刊後も新句の発見が続いている。北村会長は「世代が変わり、先代、先々代の持ち物を見直したり、処分したりするようになっているのかもしれない。新句はまだいろいろなところから出てくると思うが、何らかの形で記録していきたい」と話した。
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