新武道館が完成 植芝盛平記念館も併設
10月11日から供用される田辺市の新武道館(28日、田辺市扇ケ浜で)
和歌山県田辺市が市内の扇ケ浜公園で建設を進めていた新武道館が完成した。競技場のほか、同市生まれの合気道開祖・植芝盛平(1883~1969)の記念館を併設し、遺品などを展示。津波災害時の緊急避難場所としての活用も想定している。10月10日に竣工(しゅんこう)式があり、翌11日から供用を開始する。
オープンに先立ち、9月28日に報道関係者向けの内覧会があった。
新武道館は鉄筋コンクリート3階建て、延べ床面積3462平方メートル。
メインアリーナや記念館など主要機能は、南海トラフ巨大地震で想定される津波の浸水深以上の高さがある2階(海抜11・29メートル)に設ける。メインアリーナは柔道や剣道などで4面(512畳)が取れ、近畿規模の大会に対応できるという。
1階は柱だけで壁がない吹き抜け空間。3階にはサブアリーナ(98畳)や観覧席(約530席)がある。
記念館(250平方メートル)は、盛平の生涯や合気道の魅力を広く伝えるための施設。入り口近くには盛平が稽古で着用していた道着を展示し、来場者を出迎える。ほかにも書や賞状などゆかりの品を並べ、定期的に入れ替える予定という。
幼少期、壮年期、晩年期と三つの節目に沿って盛平の足跡をパネルで紹介。合気道の基本動作を確認できる映像コーナーもある。
新武道館は、同市目良の旧武道館が老朽化し、耐震性も満たしていなかったことから市が整備に着手。2019年1月に起工していた。
扇ケ浜公園の再整備を含む総事業費は約20億円。
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