お接待料理を作る参加者(大海総合センターで)

　山口県立大(長坂祐二学長)国際文化学部文化創造学科の学生が2日から1泊2日で、山口市秋穂地域で230年以上継承される「秋穂八十八カ所霊場」のお接待を体験するモニターツアー「作って、歩いて、味わう-シェ・アイオ」を開いた。市内外から15人が参加し、同地域の歴史や文化に触れながら巡礼の味を楽しんだ。

　シェ・アイオは、伝統の味を皆で守っていこうという意味を込め「シェア」と「アイオ」を組み合わせた造語で、同学科地域文化創造論研究室の学生ら3人が中心となって今年の4月から企画した。学生たちは、同地域の高齢化による霊場の維持管理の難しさや、さい銭の減少などによる資金不足の課題解消を目的に、信仰と観光の間を取り持つ「食」を介して、来訪者へ魅力を発信する新たな観光モデルを提案。札所などで聞き取り調査を行い、地域の人たちが受け継いできた文献からお接待で振る舞われていた料理を厳選した。

　初日は大海総合センターでお接待料理教室があり、参加者たちは地域の人の手ほどきを受けながら、ささげ豆ご飯やけんちょうなど6品を調理した。その後、お接待弁当を携えて巡礼路を歩き、風光明媚(めいび)な秋穂の景色を楽しんだ。　参加者はお遍路さんの宿泊所「善根宿」に泊まり、2日目は巡礼路を歩いて札所の仏飯などを見学した。