秋サケ、今季も不漁か 当初健闘も昨年並みに-胆振地区の定置網漁

サケを水揚げする漁業者=9日午前4時ごろ、苫小牧港漁港区
胆振地区の秋サケ定置網漁の漁獲は今季、不漁だった昨年並みの水準にとどまっている。10月末現在60万1771匹で前年同期比0・4%(約2100匹)増。9月の解禁直後はまずまずだったが、10月下旬(21~31日)は各漁協で軒並み前年を下回り、不漁の傾向が顕著になりつつある。苫小牧漁協は健闘していたが、当初の好漁の期待から一転して価格も抑え気味といい、漁の回復などを願う声は切実だ。
胆振海区漁業調整委員会がまとめたデータによると、噴火湾を除く胆振沿岸の漁獲量は10月末現在、45万735匹で前年同期比1・7%(約7300匹)増とほぼ前年並み。金額は約8億2500万円で13・7%(約1億3100万円)減にとどまっている。
漁獲量の漁協別内訳は、苫小牧が15万8261匹で4・8%(約7200匹)増。鵡川が4万5377匹で142・3%(約2万6600匹)増。いぶり中央、室蘭両漁協が前年割れする中、苫小牧、鵡川両漁協が胆振沿岸の水揚げをけん引している。
一方、漁獲量は季節を追うごとに落ちている。10月下旬は噴火湾を除く胆振沿岸で9万9861匹にとどまり、19・7%(約2万4400匹)の大幅減。苫小牧が3万1762匹で2・3%(約700匹)減。鵡川が2302匹で19・5%(約500匹)減となっており、いぶり中央、室蘭も軒並み下落している。
恵庭市のさけます・内水面水産試験場は「えりも以西海域は今季、前年よりも3割近く増えると見込んだが、思ったよりも少ない」と説明。2017年の記録的不漁以降、低調な傾向が続いており「主体になる4年魚が伸びを欠いているよう。原因はいろんな要素が考えられるので分析したい」と説明する。
苫小牧は沿岸に定置網5カ統の権利を持ち、漁船3隻で回しているが、11月に入ってからは漁獲の落ち込みを踏まえ、漁に適した好天でもあえて隔日操業にしている。
9日に出漁した「錦漁丸」の船長、高島昭彦さん(60)は「全然だめ。10月後半から獲れなくなってきた。今は2日分でも100~200匹ぐらい」と嘆き、「12月3日の漁期まで操業するが、何とか上向いてくれないと」と願っていた。
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