工場排出CO2をハウスミカン栽培に再活用
ニューセラミック関連商品製造などを手掛ける名古屋市東区の「日本特殊陶業」は、蒲郡市港町の食用油製造「竹本油脂」などと連携し、工場から排出された二酸化炭素(CO2)をハウスミカンの栽培に再活用する「地域Carbon dioxide Capture and Utilization(CCU)プロジェクト」に取り組んでいる。
プロジェクトに意気込む松井副社長と鈴木市長、竹本社長、神田副代表(右から)=蒲郡市民会館で
冬のハウス栽培は、作物の光合成に必要なCO2が不足するため、灯油を燃焼させて確保している。日特陶は脱炭素化社会の実現や循環経済の推進に取り組んでいる。地域が抱える社会的な課題解決に貢献しようと全国の自治体を調査する中、広告代理店「新東通信」から、循環経済をまちづくりに取り入れた都市「サーキュラーシティ」実現を掲げる蒲郡市を紹介された。市に相談し、市内事業者を見学した。
そこで、竹本油脂が地元蒲郡の産業発展と将来的にCO2削減の貢献を目指していることを知った。日特陶は市と竹本油脂などの官民が手を取り合って、地域でCO2と資源、エネルギーが循環して融通し合うような社会を目指そうと、取り組みに着手。豊橋技術科学大学と県農業総合試験場などがオブザーバーとして参加した。
内容は竹本油脂の工場で排出するCO2を日特陶の作ったドラム缶に回収し、市内にある県農業総合試験場まで運ぶ。そこにあるハウス栽培のミカンの苗木3本に成長促進用のガスとして使う。出来上がったミカンの社会的価値を検証する。
21日、市民会館で日特陶の松井徹副社長と鈴木寿明市長、竹本油脂の竹本元泰社長、新東通信名古屋本社の神田仁志副代表らが、プロジェクトの経緯を説明した。松井副社長は「気候変動の大きな原因の一つとして嫌われる存在のCO2を再利用し、貴重な資源に変えていきたい」と話した。
工場から排出したCO2でハウス栽培
関連記事
浦内、トータル258㌔で日本新
第42回マスターズ全日本パワーリフティング選手権大会(日本パワーリフティング協会主催)は18日、大阪府堺市立大浜体育館小アリーナで行われ、女子84㌔超級マスターズⅢ(2024年内に60―69歳)に沖縄県から...
「ヨットのまち」沖合を56艇が疾走 蒲郡でエリカカップ
日本最大級のヨットレース「エリカカップ」が19日、蒲郡市の沖合で開かれた。愛知県や三重県から56艇が出場した。 1981年に冒険家の長江裕明さんを乗せた「エリカ号」が、常滑市から出港し4年...
アイホトップチーム再構築へ オール釧路で設立準備会【釧路市】
釧路でアイスホッケートップチームを再構築しようと、地元経済人らが動き出した。新チーム設立準備会を早急に立ち上げ、釧路市や釧路商工会議所、釧路アイスホッケー連盟などと連携して、氷都・釧路からの...
「ココア」おめでとう 釧路市動物園で誕生会【釧路市】
釧路市動物園で仮死状態で生まれ、後ろ脚などに障害を持ちながらも元気に生きているアムールトラ、ココア(雌)の16歳の誕生会が19日、同園で行われた。全国からお祝いの花などプレゼントが届き、...