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長野日報社

二酸化炭素排出量ゼロへ産官連携 「KZCP」が始動 長野県伊那市でシンポ

「KZCP」のキックオフイベントとして開いたシンポジウム

 2050年の二酸化炭素実質排出量ゼロを目指して、長野県経営者協会上伊那支部など4団体は産官連携の基盤となる「上伊那ゼロカーボンプラットフォーム(KZCP)」を立ち上げ、活動を始めた。上伊那地域の自治体と企業が連携し、地域で脱炭素を推進する取り組み。22日には伊那市でキックオフイベント「ゼロカーボン・シンポジウム」があり、講演や意見交換を通じて事業者の脱炭素経営や地域連携について理解を深めた。

 同支部と上伊那広域連合、県上伊那地域振興局、県産業振興機構伊那センター・リサイクルシステム研究会が運営組織となり、昨年10月10日に発足。持続可能な社会の実現に向け行政や企業などさまざまな主体が脱炭素の取り組みを進める中、地域一丸となった取り組みが必要と判断し、希望者がいつでも参加できる産官連携の共同活動基盤を設けた。

 運営組織を代表して同支部の向山浩正支部長はあいさつで「個々で取り組んでいても限界が出てしまう。連携して取り組み、知恵を出していくことが大事」と強調。県上伊那振興局の布山澄局長は、課題や疑問を共有することで「今後どのように脱炭素社会をつくり、持続可能な社会を残していくか考えていきたい」と述べた。

 シンポジウムには上伊那を中心とした企業や行政の関係者ら100人余り(オンライン含む)が参加。立命館大学経営学部のラウパッハ・スミヤ ヨーク教授が「地域連携を軸にしている脱炭素経営―その可能性と課題」、信州大学人文学部の茅野恒秀准教授が「産学官の連携による地域ゼロカーボンの実現」をテーマに講演し、グループセッションでは参加者が脱炭素の取り組みについて意見交換した。

 KZCPでは上伊那地域でのゼロカーボン社会の実現に向け、シンポジウムやイベントの開催、省エネルギーの推進、先進地視察、人材育成、情報交換などの事業を展開していく。

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