第1次能代大火から75年 教訓忘れず火災防御訓練

昭和24年の第1次大火から75年。消防署員や消防団員が訓練を通じて有事への備えを確認(能代市川反町で)
能代市中心部北側の約4割を焼失した昭和24年2月20日の第1次大火から75年。大火の記憶を風化させず、有事への備えを徹底しようと、能代消防署は20日、同市川反町地内で火災防御訓練を行った。署員や地元の消防団員、住民らが参加し、初期消火など火災を拡大させないための手立てを確かめ合った。
昭和24年の第1次大火は、同年2月20日午前0時35分ごろ、清助町新道(現浜通町)の木材工場付近から出火、風速10㍍前後の強い西風にあおられて火勢が拡大し東側へ延焼した。約7時間30分後の午前8時ごろに鎮火したが、官公庁や住宅街など市中心部北側の約4割を焼き尽くした。
2238棟が焼失し、1755世帯、8790人が罹災。3人が死亡、265人が重軽傷を負った。損害額は30億2590万円で現在の金額に換算すると約246億9226万円と甚大な被害となった。
同消防署は、第1次大火と昭和31年3月20日の第2次大火の記憶を風化させず、地域で有事に備える意識を高めることを目的に、昭和24年大火の日に合わせて火災防御訓練を実施。
今回は、当時の火元に近い川反町を会場に、同消防署や地元の消防団と火災予防組合、地域住民ら約50人が参加した。20日午前10時ごろ、同地内の倉庫から火が出ているのを目撃した地域住民が119番通報するも、風速13㍍の強い西風によって飛び火し、付近の建物にも燃え移っていると想定した。
はじめに火災を見つけた住民が手分けして火事触れしたり、消火器で初期消火を試みた。火事触れを受けて別の住民が119番通報し、現場の状況や逃げ遅れた人がいないかなどを通信指令員に伝えた。
通報を受け、同消防署や西消防出張所、消防団から車両6台が出動。現場に到着すると、署員らは消火栓などの水利を確保し、手際良くホースを延長、火点に向けて放水した。また、高さ5~10㍍の水の幕をつくり出す「水幕ホース」も延ばし、周辺の建物への延焼を防いだ。
訓練後、伊藤均署長は新潟県糸魚川市の大火(平成28年12月)、1月の能登半島地震の被災地、石川県輪島市で発生した火災にも触れ、「今回の訓練で初動体制の確認ができたことで大きな備えにつながった。災害はいつ、どこで発生するか分からない。改めて防災意識を高め、避難経路・場所や備蓄品の確認を行ってもらいたい」と訓示した。
市火災予防組合連合会の今立貞逸会長(77)は「改めて地域の皆さんと協力して火災予防に努めていく必要性を感じた。火災を未然に防ぐために、報知器の設置、火から目を離さないことなどを呼び掛けていきたい」と気を引き締めた。
このほか、同消防署や市内の消防団などは、車両による警戒広報を行い、住民に火の用心を呼び掛けた。
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