クラスメートと力を合わせて綱を引く生徒たち（能代市東雲中で）

　能代市東雲中（檜森秀樹校長、生徒１７３人）の伝統行事「雪中綱引き」は21日、同校体育館で行われた。朝から雨が降る悪天候のため会場をグラウンドから体育館に変更して実施。生徒たちはクラスメートと力を合わせて綱を引き、中学校生活の思い出の１ページを刻んだ。
　運動会、学校祭と並ぶ同校の三大行事の一つ。極寒に耐え、東雲原を開拓した古里の先人の「開拓魂」を受け継ごうと昭和36年度から行われ、今年度で63回を数えた。
　当初グラウンドで行う予定だったが、雨や風のため体育館に変更。強歩大会は取りやめた。
　開会式で檜森校長は「先人が開拓した時の寒さを味わい、苦労を知るのが目的の行事。今年は外でできないが、この伝統をしっかりつないでほしい」とあいさつした。
　生徒会長の中田音花さん（３年）は「３年生にとっては中学校生活最後の行事になる。全員で最高の思い出をつくりましょう」と呼び掛け、「綱引き頑張るぞ！えい、えい、おー！」と気勢を上げた。
　佐々木正義ＰＴＡ会長のあいさつに続き、体育委員長の舛屋俊介君（同）が「先輩たちが築き上げてきた伝統行事『雪中綱引き』において、校訓『自主開拓』を胸に刻みながら思い切り綱を引き、中学校生活の思い出に新たな１ページを刻むことを誓う」と選手宣誓。応援団の３年生12人によるエールも披露され、全校生徒を鼓舞した。
　保護者や地域住民も見守る中、生徒たちは学年ごとに試合に臨み、懸命に綱を引っ張った。上半身裸で気合を示す男子生徒の姿も見られ、好勝負の連続に体育館は熱気に包まれた。
　佐藤煌大君（同）は「外でできなかったのは残念だったけれど、仲間と一体になり頑張って優勝できてうれしかった。いい思い出がつくれた」と話した。