マリモの現状考える 阿寒湖温泉で講演会、危機訴えも【釧路市】
マリモの現状について説明する(後列右から)若菜室長、副島教授、尾山学芸員
国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」について考える講演会が10日、釧路市阿寒湖温泉の阿寒湖まりむ館で開かれた。関係者ら約40人が出席し、同湖に群生している球状マリモの現状と課題、保護の在り方などについて考えた。
官民組織の阿寒湖のマリモ保護会とNPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構が主催して行われ、講演には釧路国際ウェットランドセンター阿寒湖沼群マリモ研修室の若菜勇室長、釧路市教育委員会マリモ研究室の尾山洋一学芸員、熊本大学の副島顕子教授らが登壇し、それぞれの分野でマリモの実情を語った。
若菜室長は、これまで長年のマリモ生育状況の調査などから、大型の球状マリモ生息域が消失し、多くの水草が繁茂している状況にあると説明。チュウルイ湾の直径20㌢以上のマリモの集団が壊滅状態にあるとし、「このままでは特別天然記念物としての価値を著しく損なう可能性がある」などと、早急な対策の必要性を指摘した。
尾山学芸員は、昨年11月のマリモ科学委員会で報告された内容について、2021年に2度発生した大量のマリモ打ち上げ後の経過を報告。マリモの生息域が19年から20%減少していることや、一部区画内でのマリモは平均や最大直径が増えて回復傾向にあることなどを述べた。また、近年発表した暖かい水温で大型マリモが崩れやすくなっている可能性がある研究結果などから、水草だけではなく多角的な検証が必要とし、①複数地点での育成環境の計測②潜水調査による複数の時期での状態の計測といった計画を紹介した。
副島教授はこれまでのマリモの調査を振り返り、「アイスランドで球形のマリモが消失したような事象は一瞬で起きてしまう可能性はあるが、まだ間に合う。地域の皆さんたちの努力で守られることを信じている」と語った。
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