忘年会シーズンの到来を受けて、宇部市は、宴会で実践できる食品ロス削減「３０・１０（さんまる・いちまる）運動」への協力を呼び掛けている。宴会の最初の３０分間と最後の１０分間は自分の席で料理をしっかりと楽しみ、食べ残しを減らそうという運動で、幹事や店側からの声掛け、一人一人の意識向上を促している。

　まだ食べられるのに廃棄される食品は全国で年間５２３万㌧で、国民１人当たりに換算すると、毎日茶わん１杯分の食べ物を捨てている状況だという。特に、宴会では大量の食品ロスが発生することが問題になっている。状況を改善するため、市廃棄物対策課は今月に入ってから飲食店を訪問。ポスターやチラシを配布し、同運動の周知に努めている。

　１４日は国際ホテル宇部を訪れ、阿部正和総支配人に説明。阿部総支配人は「宴会では多くの人があいさつ回りを重視し、食事は二の次にしてしまう。食べ残しが大量に出るのが現状だが、それを変えていかなければならない。しっかり食べる時間を確保してもらえるよう、幹事に声掛けしたい」と協力を約束した。

　同課ごみ減量推進係の西田涼子さんは「乾杯して３０分間は席を立たずに料理を楽しみ、お開きの１０分前になったら自分の席に戻って食べきるようにして。適量の注文、食べ残しや飲み残しがないように声を掛け合うことも意識してほしい」と呼び掛けている。