牛馬之碑の前で長老により行われた口飾り＝28日午後、新川地区のフツクニムル

牛馬祭でユンタを歌う新川字会の関係者ら＝28日午後、新川地区のフツクニムル

　新川字会（唐眞盛充字会長）は28日、家畜への感謝をささげる伝統行事「牛馬祭（ウシウマヌヨイ）」を新川地区のフツクニムルで執り行った。参加した字民約20人が牛馬之碑の前で牛や馬の無病息災を祈った。

　字会によると、明治初期、村の牛が次々と死ぬ疫病が発生。そんな中、村に住む大嵩家の牛だけは病気にかかることなく元気にしていた。村人らが理由を尋ねると、「自分の田園の石盛に石碑を建立して牛馬の無病息災を祈願している」と話したという。

　村では1894（明治27）年、家畜の無病息災を願ってジーダカムルの南側に石碑を建立。それが牛馬之碑発祥の地となっている。

　これまで碑は2回移転しており、本土復帰前の1971（昭和46）年に、現在の石垣あやぱにボウル近くに移った。

　牛馬祭は毎年旧暦9月己丑の日に実施。長老らが口飾りと呼ばれる口上を述べた後、字会役員らが「富崎野ぬ牛なま・ユンタ」を歌い、家畜の健康を祈願した。

　唐眞字会長は「これまで農作業など馬や牛から恩恵を受けてきた。その気持ちを込めながら感謝したい」と話した。