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東京の青柳さんに中也賞、審査員絶賛「まったく新しい言語表現」【山口】

 現代詩人の登竜門である第28回中原中也賞の選考会が18日、山口市内であり、東京都在住のアーティスト青柳菜摘さん(32)の「そだつのをやめる」が全国204点の応募・推薦作品の中から選ばれた。セミやチョウといった非人間の視点で人間の原初の感覚を描き、全く新しい言語表現を見いだしたと絶賛された。

 同賞は1996年に山口市が創設し、優れた詩作の才能を持つ人を発掘している。昨年11月までの1年間で刊行された現代詩の詩集を対象とした。コロナ禍で3年ぶりに委員5人による選考会が市内で行われた。

 受賞作は118㌻に37編の詩を収録。セミやチョウ、土という人間と異なる形で時間を経験しているものから世界や環境を描き、人間が生きる時間を捉え直した。青柳さんは「絶対に感じることのできない時間の感覚を言葉で表現しようとあがいた」と話す。

 東京都出身の青柳さんは、東京芸術大大学院映像研究科を修了。受賞作を発行した書店「コ本や」を営む傍ら、映像や絵画制作でも活躍。2016年に中也賞を受賞したカニエ・ナハさんから「絶対に詩を書いた方がいい」と勧められ、詩作を始めた。青柳さんは「映像作品で追求した人間じゃないものをどう描くかという問いが受賞に結実した」と喜びを語った。

 選考会の開始早々に最終候補7作品から青柳さんの作品と竹中優子さん作「冬が終わるとき」の一騎打ちに。単なる擬人化を超えた視点で対象を捉えた斬新さ、分からなさそれ自体を楽しめる詩の言葉の力が決め手となり、創設以来、最短の40分で選考を終えた。

 選考委員代表で詩人の佐々木幹郎さんは「成長の過程で忘れてしまった言語習得以前の体験をこれまでにない形で捉えた作品」と評価。委員で小説家の高橋源一郎さんは「選考を終えてもまだ解釈したくなる。今までに読んだことのない新しさ」と絶賛した。

 贈呈式は中也の誕生日である4月29日に湯田温泉4丁目のかめ福オンプレイスで実施。中也のブロンズ像と副賞100万円が贈られる。文芸誌「ユリイカ」4月号に受賞作の一部と選考会の内容が掲載される。

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