総務省が地域の活性化に尽力した個人や団体を表彰する「ふるさとづくり大賞」を受賞した原田尚美さん（３９）が１３日、山口市の伊藤和貴市長を表敬訪問し、受賞の喜びと地域振興への決意を伝えた。市内出身者の受賞は初めて。

　原田さんは小郡出身で、関西の大学への進学を機に市を離れた後、２０１６年に阿東地域の地域おこし協力隊に着任。１９年まで徳佐リンゴを使ったスパークリングワイン造りによる地域振興に取り組んできた。任期を終えてから小郡下郷で「やまぐちシードル」を創業し、３種のシードルに加え、台風被害で落下したリンゴを使ったエールビールを開発。道の駅長門峡や同社のホームページで販売している。

　「阿東を盛り上げたい女性のネットワーク」を結成し、４０人の会員と勉強会や交流会を通じた情報交換やコミュニティーづくりを続け、季節ごとの阿東の魅力を発信する観光マップも作成してきた。

　同協力隊の就任から６次産業化の成功につなげ、地域づくり団体を結成するなど地域活性化の見本として高く評価された。

　原田さんは「支えてくださった地域の方も一緒に喜んでくれた。今後も阿東の活性化に取り組みたい」と意欲を示した。伊藤市長は「女性の活躍で活性化する阿東の今後が楽しみ。市としても協力していきたい」とさらなる活躍にエールを送った。