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荘内日報社

鶴岡・藤沢周平記念館企画展 「海坂藩もの」にみる庄内藩

 鶴岡市出身の時代小説作家・藤沢周平さん(1927―97年)の資料を展示する同市立藤沢周平記念館の酒井家庄内入部400年記念企画展「『海坂藩もの』にみる庄内藩」の展示が18日に始まった。藤沢さんの武家もの作品の舞台として登場する「海坂藩」と、モデルとされる旧庄内藩の歴史や風景などを比較し、両藩の共通点や相違点を学びながら藤沢作品をさらに楽しめる展示となっている。

 今回の企画展は酒井家庄内入部400年の節目に合わせ、庄内藩にスポットを当てた。藤沢さんが小藩を舞台にした小説は、庄内藩を思い浮かべる歴史や風景の描写が多く、そうした一連の作品は藩名が登場しない場合も含め「海坂藩もの」と呼ばれる。

 例として、酒井家の庄内入部は「三河以来の譜代大名で忠次公の孫・忠勝公が奥羽の外様大名に対する抑えとして配置された」という背景がある。これに対し藤沢さんは作中で「海坂藩は小藩ながら、三河以来の譜代大名だった」(『相模守は無害』)と描写している。

 この他にも海坂藩の石高や城、「三方を山に囲まれ、一方は海に面している」といった地勢などは庄内藩との共通点が多い。一方で鶴ケ岡城に天守閣はないが、藤沢作品では「美しい五層の天守閣が町の四方から眺められる」(『暗殺の年輪』)など相違点もある。

 企画展では、こうした両藩の比較を分かりやすくパネルにした。また、藤沢さんが所蔵していた鶴ケ岡城下の絵図「文政年中 御城下繪図」や、庄内藩の歴史や政策、藩士の暮らしなどが書かれた「鶴岡市史」(上巻)なども展示された。いずれも多くの付箋やメモ書きなどが残されており、藤沢さんが執筆の際に参考とした様子が伝わる。

 庄内藩の財政事情や藩士の暮らしなどを解説したパネルも飾られたほか、庄内藩で奨励された磯釣りのたも(網)や、竿の材料となる竹を掘るための道具「根切り」なども展示された。同館は「庄内藩と海坂藩の比較だけでなく、藤沢さんが古里・庄内にどれほど心を寄せていたか分かるような展示にした」と話した。

 展示は来年6月27日まで。入館時間は午前9時~午後4時半。休館日は毎週水曜日(休日の場合は翌日以降の平日)のほか、年末年始(12月28日~1月4日)、施設燻蒸期間(来年2月6~10日)。

庄内藩と、藤沢作品に登場する架空の小藩「海坂藩」の共通点や相違点をパネルで分かりやすく展示した

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