ユネスコ報告、12月提出へ 奄美・沖縄の首長ら了承 世界遺産地域連絡会議

奄美・沖縄関係の市町村長らが出席した世界自然遺産地域連絡会議=12日
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産地域連絡会議が12日、オンラインで開かれた。奄美・沖縄関係の市町村長ら関係者約90人が出席。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会が要請した課題4項目の対策などを盛り込んだ報告書案を了承した。12月1日までにユネスコへ提出する。
報告書案は、昨年7月の奄美・沖縄の世界自然遺産登録に際して、遺産委が示した▽観光管理▽ロードキル(交通事故死)対策▽河川再生▽森林管理-の各課題について、関係機関と専門家でつくる特別チームが対応をまとめた。
奄美大島、徳之島に関しては、急増するアマミノクロウサギのロードキルについて、道路への侵入防止柵の設置を検討することや、ドライバーへの注意喚起など、事故防止へ対策を強化する方針を盛り込んだ。
観光管理は「奄美群島持続的観光マスタープラン」に基づいて、自然環境への負荷を軽減するため、観光利用を分散させる取り組みを継続する。河川再生は、新たに策定した戦略に沿って、砂防ダムなどが希少な動植物に及ぼす影響を調査し、長期的に自然な流れの再生に取り組む。
森林管理は「自然環境に配慮した森林施業方針」を策定。遺産地域周辺の緩衝地帯で、伐期齢を延長し、伐採量に上限を設けた。
オブザーバーとして出席した奄美・沖縄の世界自然遺産地域科学委員会で委員長を務める土屋誠琉球大学名誉教授は「議論がよく行われ、いい対応になった」と報告書案を評価。地元側の理解促進に向けて、4地域でのシンポジウム開催や、奄美・沖縄の世界遺産を紹介する出版物の刊行など、今後の計画を示した。
地域連絡会議は、奄美・沖縄の行政、地元団体などの調整や合意形成を図る目的で設置され、4地域にそれぞれ部会を設けて遺産の適正な管理の在り方を検討している。報告書案は各部会での協議を経て、那覇市で今月5日にあった科学委員会で了承。地域連絡会議の合意で、ユネスコへの提出に向けた関係機関の調整を終えた。
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