第25回小津安二郎記念・蓼科高原映画祭の短編映画コンクール入賞者に贈られる陶製トロフィーと作者の飯山和俊さん（左から２人目）

　日本映画界の巨匠、小津安二郎監督が晩年の仕事場にした長野県茅野市で開かれる第25回小津安二郎記念・蓼科高原映画祭（17～25日）の「短編映画コンクール（第21回）」で、入賞者に贈られる陶製トロフィーが完成した。陶芸作家の飯山和俊さん＝同市玉川＝が第１回から依頼を受けて製作している。

　飯山さんによると、今回の作品のタイトルは「古代からの贈り物」。細長いカップ状で、上部はグレーで、独自の技法による流れるようなドレープをあしらい、国宝土偶「縄文のビーナス」をイメージした顔がポイント。下方は、心に湧き上がる自然の美を白い釉薬を用いて表現したといい、躍動感ある仕上がりになった。

　飯山さんは「美しさに気づき表現することは、古代から人の持っている本能。映画祭もさまざまな角度から美しさの表現を競う点では陶芸に通ずると思う」と話す。

　今年の短編コンクには過去最多の１６７作品（前年比40増）の応募があり、７月の２次審査で10作品を選出。この中からグランプリ、準グランプリなどが決まり、24日に表彰式が行われる。過去２回のコンクは新型コロナの影響でオンラインによる審査だった。今年はリアル開催が期待される。上映スケジュール（短編を含む）は公式ホームページで確認できる。