旗頭「旭日」を立てて、準備する東筋部落会＝1日、黒島

産井戸で祈願をする仲本集落の住民ら＝1日、黒島

　【黒島】旧正月の1日、竹富町黒島の仲本と東筋の両集落で伝統行事が執り行われた。住民らは、ことし1年の健康や豊作などを祈願、旗頭を奉納し旧正月に歌う「正月ユンタ」で新年を祝った。昨年同様、新型コロナウイルス感染予防のため人数と規模を縮小、綱引きは中止した。

　正月にふさわしく晴天が広がる中、午前9時ごろ仲本の住民らは集落の水元「産井戸」の前に、作物で製作した旗頭を立てた。同11時過ぎ、銅鑼の音が鳴ると住民らは産井戸に集合。お神酒、穀物など供え、無病息災を祈願した。

　仲本支会の宮良哲倫会長（44）は「昨年に続き祈願だけだったが、皆で願いをすることにより住民の心が一つになったと思う」と話した。

　東筋は、黒島伝統芸能館前の広場で同部落会の役員らが午前中に準備。午後から数人が集まり、正月ユンタで元日を迎えた喜び、昨年の豊作への感謝、ことしの五穀豊穣を祈った。

　船道保秀会長は「コロナが早く退散してくれることを一番に願った。来年こそコロナがなくなって、例年通り大綱引きをしたい」と気持ちを込めた。