最南端の灯台から夕日を 参観時間延長し初企画

「潮岬灯台夕暮(ゆうぐれ)参観」で撮影を楽しむ来場者(19日、和歌山県串本町潮岬で)
全国に16基という「のぼれる灯台」の一つ、和歌山県串本町潮岬にある潮岬灯台で18日から、イベント「潮岬灯台夕暮(ゆうぐれ)参観」が始まった。通常午後4時半までの参観時間を5時半までに延長し、本州最南端の灯台からの夕景を楽しんでもらおうと初企画。訪れた人たちが絶景を堪能していた。
参観事業をしている燈光会の主催。約30メートルの断崖に立っている潮岬灯台は、高さ約23メートル。初点灯は1873(明治6)年。灯台下には、灯台の歴史、機能・役割などが学べる資料館が併設されている。
燈光会によると、一般の人が上ることができる灯台は日本に16基しかなく、さらに海に沈む夕日が見られる灯台は数基しかないという。
18日は、空が厚い雲に覆われていたため、海に沈む夕日はほとんど見ることができなかったが、愛知県、岐阜県など全国各地から十数人の観光客が訪れていた。
全国の灯台を巡っているという千葉県の50代男性は「潮岬灯台へ来たのは3回目。今回はこのイベントがあることを知って来た。夕日が見られず少し残念だったが、またこのようなイベントがあれば来たい」と話していた。
19日は水平線に雲があったが、美しい夕日が灯台を照らした。友人と一緒に灯台に上って夕日を撮影していた町内の女性(49)は「ここから夕日を見たのは初めて。寒いけどとても美しい。来たかいがあった」と喜んだ。
燈光会潮岬支所の阿部千穂支所長は「きれいな夕日が見られる時間を前に営業を終えるのはもったいないと思っていたので、少しでも灯台へ来た人に楽しんでもらいたいとこのイベントを企画した。毎年、この時季の恒例行事にできればと思う」と話した。
25、26日にも開催する予定。中学生以上は参観寄付金300円が必要で、混み合うようであれば人数制限をする。灯台の周囲ではイルミネーションも点灯させる。荒天の場合は中止。
問い合わせは燈光会潮岬支所(0735・62・0141)へ。
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