企画展「山口で奏でた音楽―近代の和楽と洋楽の広がり」
蓄音機やレコードを紹介する学芸員(市歴史民俗資料館で)
幕末から昭和初期にかけて、和楽と洋楽がどのように国民に受け入れられ、山口市でも普及していったのかを紹介する企画展「山口で奏でた音楽―近代の和楽と洋楽の広がり」は、同市春日町の市歴史民俗資料館で開かれている。古文書や楽器、蓄音機、楽譜など約80点を並べ、4章構成で紹介している。3月21日まで。
第1章では、1853年の黒船ペリー艦隊の来航時に、軍楽として初めて洋楽が入ってきたことを紹介。軍楽隊行進を日本で初めて披露したとされ、日本の洋楽の基礎となったことなどを紹介している。
第2章では、明治維新によって誰もが奏でることができるようになった三味線や琴、尺八などの楽器を展示。明治・大正時代に人気を集めた素浄瑠璃の道具なども並べている。
第3章では、西洋で行われていた音楽教育の実施に向けた政府の動きなどを紹介。87年に音楽教育制度が整い、山口市でも同期にオルガンやマンドリン、ウクレレなどの楽器が普及していった。明治から昭和初期に小学校の音楽教育で用いられた唱歌集や、同市の地方小唄などの楽譜も展示されている。
第4章では、音楽に親しむ機会を醸成した蓄音機やレコード、ラジオなどの実物を展示。この他、大正琴の体験コーナーもある。
学芸員の藤村成生さんは「山口市にどのようにして和楽・洋楽が広がっていったのかを知ってもらい、一昔前の音楽に思いをはせていただけたら」と話している。
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