派遣延期も多くの経験 JICA隊員候補生が特別訓練修了報告

特別訓練の修了報告会で話す佐野枝里菜さん(右)と渡邉博次さん
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、国際協力機構(JICA)青年海外協力隊の隊員候補生が海外派遣に向けた正規訓練を受けられない中、途上国での活動に必要なスキルを習得するために駒ケ根市を拠点に特別訓練に励んでいた隊員候補生2人が8日、同訓練を修了した。
2人は、アフリカ西部ベナンに派遣予定の佐野枝里菜さん(30)=愛知県知立市出身=と、アフリカ南部ボツワナに派遣予定の渡邉博次さん(27)=静岡県富士市出身。今年4~7月に正規訓練を受け、今夏に任国に派遣されるはずだったが、コロナ禍で正規訓練、派遣のいずれも延期された。
特別訓練は、地域が抱える課題に隊員候補生が向き合い、任国で生かせる課題解決能力を育んでもらおうと、JICAが今年度、初めての試みとして希望者を対象に実施。2人は9月9日から3カ月間、上伊那地方南部の多文化共生や観光の分野での課題を洗い出し、外国籍住民向けの日本語教室の内容改善や新しい観光パッケージ商品の提案などに取り組んだ。
特別訓練最終日の8日は、市役所で修了報告会があった。これまでの活動を振り返るとともに、佐野さんは「コロナで派遣が延期になった当初は落ち込んだが、多くの方にお会いすることができたこの3カ月は私にとって、濃く、思い出深い時間だった」と話し、渡邉さんは「さまざまなことを経験した3カ月間だった。関係者に感謝し、この経験を基に任国で活躍できるよう今後も努力していきたい」と述べた。
2人は報告会の後、駒ケ根の地を去り、それぞれの実家に戻った。正規訓練が始まるまで、海外派遣に向けた語学学習などの研さんを積む考えだ。
協力隊をめぐっては、今春、新型コロナの影響で約2千人の隊員が一時帰国し、事実上の事業中断に陥った。JICAは11月下旬、感染状況が落ち着きを見せている東南アジアの一部の国を対象に協力隊員の派遣を再開。今年度の実施を断念した正規訓練も来年4月、派遣見通しの立った国に赴任する予定の隊員候補生から再開する方針だ。
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