中島さんの呼び掛けで海岸清掃を行ったメンバー＝9月26日、底地（中島さん提供）

　石垣島の海岸を投棄ごみなどから守ろうと、石垣市真栄里の中島洋和さん（55）がビーチクリーンのＮＰＯ団体設立に向け、賛同者を募っている。4年前、米国ハワイ州から石垣島に移住。海の魅力に惹かれる一方、海岸に投棄されたごみに落胆。これまで自主的に海岸清掃をしてきたが、今後は団体を設立し計画的に海岸清掃を行う予定だ。

　9月26日には、中島さんの呼び掛けに応じた有志メンバー約10人が底地湾で海岸清掃を実施。長さ1㍍以上のプラスチック製のおけ、船外エンジンに酒ビン、中国語や韓国語で表記されたペットボトルなどが集まった。

　1時間30分ほどで約50袋のごみを収集。ごみの山に、参加した平真小学校5年の福田英真君は「青い海　浜辺を見ればゴミの山」との川柳を残した。

　中島さんは海岸清掃中、漁師風の年配男性がごみを軽トラックから運び出して捨てているところを目撃したことがあり、注意すると「このブイをもらいに来た」とごまかされたという。別の浜辺ではバーベキューをしていた市民がごみを放置していたことも。中島さんは「海にごみを捨てることが常識になっている」として団体設立を計画するに至った。

　団体は海岸清掃と環境美化の啓発活動を行うことを目的に、早くて年内の設立を目指す。30～50人ほどの賛同者を求め、年間3～4回程度、海岸清掃を行いたい考え。

　中島さんは「世界の約40カ国は巡ったが、探していた海が石垣島にあった。石垣島の海はハワイよりきれいだが、浜が汚い。私にできることは限られているが、次世代に環境を守ることを伝えたい」と話した。関心がある人は中島さんのメール(mauiwatermanhiro@yahoo.co.jp)まで。

　中島さんは、米国ニューヨークで国際電話通信サービスの会社を設立し、ヒロ・ナカジマで著書「ハワイプチ富豪の成功法則」（アスコム）がある。