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紀伊民報社

ICTでサバの養殖効率化へ

いけす前でのオンライン記者説明会で話をするNTTドコモの池田健一郎地域協創・ICT推進室長(左)と鯖やグループの右田孝宣社長=串本町で

 和歌山県串本町紀伊大島近くの海にあるいけすで、サバの養殖などを手掛ける大阪府豊中市の「鯖やグループ」と通信大手の「NTTドコモ」が、ICT(情報通信技術)を利用した養殖の効率化を目指して業務提携を結び、実証実験を始めた。両社はこのほど、現地のいけすからマスコミ向けのオンライン説明会を行い発表した。

 鯖やグループは、サバの製造・卸販売事業を手掛ける「鯖や」、国内外にサバ料理専門店を運営する「SABAR」、水産養殖事業の「フィッシュ・バイオテック」で構成。
 紀伊大島近くのいけすでは、フィッシュ・バイオテックが、サバの完全養殖をしている。育てたサバは「こりゃ!うめぇサバ」のブランドで、田辺市新庄町の釣り体験レストラン「和歌山県おさかな村」にある「SABARビレッジ和歌山田辺店」で販売している。
 業務提携により、NTTドコモのICTを活用し、勘や経験に頼らない新たな養殖モデルの確立と養殖業への新規参入を目指す。安心安全でおいしいサバの安定供給に取り組むという。
 実証実験をするいけす(12メートル四方、深さ5メートル)は2基あり、約3万匹のサバを育てている。いけす内に塩分濃度、水温、溶存酸素量を計測できるセンサー、水中カメラなどの機器を設置して自動でデータを収集する。
 作業日誌を付けるアプリなども使い、サバの成長に影響する要因を分析。最適な餌の量やタイミングを確認して費用削減につなげ、成長記録、気象情報などとともにNTTドコモのネットワークを通じて一元管理して、養殖モデルをつくる。
 オンライン記者説明会の日は、NTTドコモの技術者が、いけす内のサバの分布度が分かるソナーを設置し、餌を食べ終えたサバがいけす内に散らばる様子を確認した。給餌の適切なタイミングが分かり、無駄な餌の量が減らせるという。今後、市場拡大が見込めるサバ養殖のICT化により、いけす内で育つサバの状況を「見える化」し、もうかる養殖業の実現を図る。
 これまで他県の養殖現場で塩分濃度や水温などを測定するシステムはあったが、カメラやセンサーなども備えたICT化と今回のような一元管理のシステムは、NTTドコモとしては全国初という。
 養殖業のICT化にチャレンジしていきたいと、オンライン記者説明会で意気込みを語った鯖やグループの右田孝宣社長(45)は「今後も愛情を込めて育てたサバを自信を持って提供していきたい」と話した。
 NTTドコモの地域協創・ICT推進室の池田健一郎室長(51)は「データを分析することで養殖の効率化に貢献できる。現場の課題解決に向けて一緒に取り組み、地域の産業や地元の活性化になるように期待したい」と話した。

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