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釧路新聞社

道産マイワシ、高鮮度保持技術を研究【釧路】

 

釧路港に水揚げされるマイワシ(昨年9月)

 釧路水産試験場は、中小型漁船で漁獲された道産マイワシの消費拡大に向けた高鮮度保持技術開発の研究を今年度から行う。道東を中心にマイワシの水揚げ量が増加しているが、イワシは鮮度低下が早いことから食用での利用が進んでいない。そこで漁業者や流通関係者が活用できる鮮度指標の作成や、漁獲から消費地に輸送する間の鮮度を保つ技術を確立し、マニュアルを作成する。研究期間は2022年度まで。

 近年、道東沖にマイワシの漁場が形成されていることから漁獲量が急増しており、釧路管内の港における19年の水揚げ量は前年より8割多い約13万7000㌧となった。しかし道内で水揚げされるマイワシのほとんどが単価の安いミール(家畜の飼料)向けに加工され、食用は1割に満たない。漁業者の収益を向上させるためには、食用の消費拡大が必要だ。

 道東産マイワシは太平洋沖で餌を探して回遊中に漁獲するため脂の乗りが良く、特に9~10月の盛漁期の脂肪量は、標準的なマイワシの2倍以上。釧路総合振興局が秋にマイワシフェアを開催するなどブランド化の取り組みが行われているが、消費拡大に向けては鮮度が課題となっている。

 釧路水試が昨年9月に釧路市内の飲食店約200店(回答約60店)に行ったアンケート調査では、マイワシを提供していない飲食店の多くが「鮮度低下が早いから」と答えている。イワシは皮が薄く肉組織が脆(ぜい)弱(じゃく)なため腹切れを起こし、死後の魚肉pH低下が早く、肉質が変化しやすい。また、脂肪量が多いため脂質変化が起きやすく魚臭の原因となる。一度に大量に漁獲され、大消費地から遠いことも鮮度保持の課題となる。

 道内産のマイワシは大型漁船による巻き網漁が主流だが、研究は、地元漁業者を支援する観点から、サケ・マスやサンマの代替漁として行われている中小型船による棒受け網漁を対象に行う。  これまで行った試験では、鮮度(K値)を測定したところ、漁船による違いや、同じ船の中でも個体によってばらつきがあることが分かった。また、凍結前の鮮度管理にこだわることで生食用冷凍商材の高品質化が実現できることが分かっている。今回の研究では、水揚げ直後や市場での鮮度測定、漁業者や市場関係者への聞き取り、飲食店などへのアンケートで鮮度の実態調査を行う。

 これにより、K値や魚肉pHなど科学的指標でマイワシの鮮度を「見える化」し、漁獲から水揚げまでの船倉の保管条件や産地市場から消費地までの輸送条件を検討。道産マイワシに適した鮮度保持技術を確立し、作成するマニュアルを漁業者や流通関係者に普及させ、ブランド化や道外への移出、輸出拡大を支援する。  釧路水試加工利用部の宮崎亜希子研究主幹は「漁業者や市場、飲食店関係者と密に連携し、マイワシの消費拡大に寄与していきたい」と話している。

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