ミルクネット独自輸送開始【釧路】

1日から独自の運送を開始した生乳販売会社「Milk Net」の福田社長(手前左から4番目)と契約農家ら
釧路管内の農家12戸から生乳を集荷している、生乳販売会社「Milk Net」(釧路市新富町4、福田貴仁社長)が1日から、自社独自での生乳輸送を開始した。全国的にも集荷から運送まで行う例は珍しく、11日には東京、13日には大阪で同社が集荷した生乳を使った、オリジナルの牛乳が販売される予定。
同社は2019年2月に設立。これまで、集荷した生乳の100%は、生乳流通を手掛けるミルク・マーケット・ジャパン(MMJ、群馬県)が集荷先まで引き取りにくる形で卸しており、その後の流通についてまでは分からない場合が多かった。今後、独自運送することで乳業会社などに直接卸せることになるため、オリジナル商品が作られる。
同社が集荷した生乳は、関西圏や関東圏の乳業会社1社と食品卸業者2社に、毎日集荷している55㌧のうち40㌧を出荷する。残りの15㌧については、これまで通り、MMJに卸す。運送は釧路から苫小牧港までを自社と同社が直接契約した運送会社で行い、ミルクタンクを船に積み、約2日間かけて乳業会社などに引き渡される。苫小牧からは2日前に出荷した空のタンクを積んで釧路に戻る。
運送するためにトレーラーヘッド2台と20㌧のミルクタンク12台を導入。資金が約1億5000万円掛かる見積もりだったため、当初は金融機関からの融資を受けての買い取りを考えていたが、同社が設立されたばかりという理由などで断られた。大手のリース会社に福田社長が直接プレゼンテーションを行い、リース契約にこぎつけた。
また、生乳の安全性を徹底するため、リース会社と契約して約2000万円の最新検査機器も導入。毎日、農家とトラックごとに2回の品質検査を行い、条件をクリアしたもののみが出荷される。
同日、福田社長が経営する釧路市阿寒町の福仁畜産には、契約農家や関連会社など約40人が集まり、安全祈願祭と出発式を行った。約2年前から同社に生乳を出荷している、釧路市阿寒町の「佐藤牧場」の佐藤弘代表は「自分たちの生産した生乳がオリジナル商品になることは夢だった。福田社長とは今後も長い付き合いをしていきたい」と笑顔で話した。福田社長は「新鮮な生乳をもって、人と人をつなぐ幸せなネットワークを築いていきたい」と抱負も語った。
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