舞鶴引き揚げ港展 世界記憶遺産の資料も

初日から来場者でにぎわう舞鶴引揚記念館の全国巡回展(20日、田辺市東陽で)
戦後66万人の引き揚げ者を迎えた京都府舞鶴市にある舞鶴引揚記念館の収蔵品を展示する「全国巡回展IN田辺」が20日、和歌山県田辺市東陽の市文化交流センター「たなべる」2階で始まった。22万人超の引き揚げ者を迎えた文里港(当時田辺港)の資料も展示している。無料。展示は25日まで。 主催は舞鶴市と同市世界記憶遺産保存活用推進委員会。田辺市が共催している。 第2次世界大戦の終戦時、海外にいた日本人660万人の帰還を実現させようと、国は舞鶴の軍港など18港を引き揚げ港に指定。舞鶴では1945年10月から58年9月まで13年間にわたって引き揚げ者を迎え入れた。 舞鶴引揚記念館には、引き揚げ関係資料1万6千点が収蔵されており、中でも重要とされる資料570点は2015年10月にユネスコ世界記憶遺産に登録された。 登録の翌年から、舞鶴引揚記念館は、引き揚げの史実を後世に継承しようと、全国の引き揚げ港を巡って展示会を開催している。 今回展示している舞鶴の資料は約110点。記憶遺産に登録された資料(レプリカ)では、シラカバの皮にすすのインクで抑留生活の日常を書いた「白樺日誌」、収容所の様子などを描いたスケッチブックなども展示している。 実物の資料として、シベリア抑留者が使用していた防寒着や水筒などの生活用品、抑留者が手作りしたスプーンやマージャン牌のほか、歌謡曲「岸壁の母」のモデルになった端野いせ氏が息子に充てたハガキも並べている。 一方、田辺港では1946年2月から5カ月間に輸送船63隻が入港し、復員兵と民間人合わせて計22万332人と遺骨1万1469柱を迎えた。 開会式では、舞鶴市の山口寛士副市長が「舞鶴にある引き揚げ関係資料は世界的価値があると認められた資料。多くの人に見てもらいたい」と述べ、真砂充敏田辺市長が「世界記憶遺産登録は、遺産の価値を認め合うことで最終的に世界平和につなげるもの。今回の展示をきっかけに平和につなげたい」とあいさつした。
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