台湾・台中市で販売するイチゴ「紅ほっぺ」と栽培する農事組合法人北の原の関係者
長野県駒ケ根市の農事組合法人北の原は、北の原地区で栽培したイチゴを台湾の台中市で販売する。駒ケ根市では初となるイチゴの輸出。14日には初荷の20ケースが空輸のために関西国際空港へ送られた。2日後には現地の高級スーパーマーケット「裕毛屋(ゆうもうや)」の店頭に並ぶ。
同法人の作物輸出はうるち米に続いて2種類目。イチゴの品種は摘果により1粒の重さを50グラム以上に育てた「紅ほっぺ」で、空輸専用の化粧箱に1箱9粒ずつ詰めた。糖度は12度。梱包(こんぽう)をするハウス内には甘い香りが漂っている。
同法人は昨年から専用の温室でイチゴ約6700株を栽培。小原恒敏代表理事(77)が知人で裕毛屋の経営者へ贈ったところ「味も形もいい」と評価され、取引が実現した。5月ごろまで1回に30~50ケースを順次発送する。卸値は「当法人で決めた価格」という。
小原さんは「日本の作物は食の安心安全が大きな魅力。事前に味や見た目を整えるようにも努めた。今後も品質には細心の注意を払い、輸出を軌道に乗せたい」と述べた。栽培主任の加藤香さん(26)=宮田村=は「仲間と苦労して育てたイチゴが台湾で販売されるのは素直にうれしい。詳しい消費者ニーズを知るためにも台湾での販売の様子を見てみたい」と望んだ。
同法人は大麦、米、ネギを主力作物として経営。従業員が通年で働けるように冬期の栽培が可能な作物を模索し、イチゴ栽培を始めたという。
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