春の嵐で大混乱 高校卒業式にも影響

在校生不在で行われた南部高校の卒業式(1日、みなべ町芝で)
和歌山県の紀南地方は1日春の嵐に見舞われ、午前中は暴風警報が発令された。そのため、高校では予定していた卒業式を午後や2日に変更した所も多かった。南部高校は在校生抜きで開いた。風の強さは台風並みで、潮岬(串本町)では午前6時25分に最大瞬間風速29・9メートルを観測した。
紀南で卒業式を午前から午後に変更した高校は、神島と田辺工業。田辺と熊野、南紀、串本古座は2日に延期した。 田辺高校では、警報が発表されて間もなくの午前7時40分ごろから8時ごろまで、卒業式についての問い合わせの電話が鳴りっぱなしの状態。教諭らが対応に追われた。警報の発表を知らずに登校した生徒も多かったという。 神島高校では警報直後には、すでに遠方からの通学生を中心に約80人の生徒が登校し、数人の保護者も来校していたという。自宅が近い生徒はいったん帰宅したが、遠方からの生徒は午後1時からの式まで学校で待機した。 南部高校は、警報の発令で在校生が自宅待機となり、3年生と、送辞を受け持つ一部の在校生、保護者らの出席で卒業式をした。 1日は県内の公立高校で全日制34校4分校、定時制・通信制14校が卒業式をする予定だった。卒業生は県内で約7500人。 一方、小中学校は田辺市では大半の児童生徒が登校しており、ほとんどの学校で学校待機の措置を取った。児童生徒がそろっている学校は、通常通り授業をしたという。東陽中と衣笠中は自宅待機にした。 列車の運行にも影響が出た。JR紀勢線では午前1時17分ごろに和歌山駅―御坊駅間で架線の断線による停電が発生。JR西日本和歌山支社は和歌山駅―紀伊田辺駅の運転を見合わせ、午前9時9分に再開した。 午前4時11分ごろには串本町の串本駅―紀伊有田駅間にある風速計で規制値(風速25メートル)以上を観測。紀伊田辺駅―串本駅間で運転を見合わせ、風が小康状態になった約4時間20分後に再開した。 強風は、前線を伴った低気圧が急速に発達しながら日本海を東北東に進んだのが要因。潮岬以外の県南部の最大瞬間風速は、栗栖川(田辺市)24・1メートル▽西川(古座川町)21・2メートル▽南紀白浜(白浜町)21・1メートル▽龍神(田辺市)20・9メートル▽新宮(新宮市)20・6メートルを観測した。県内で最も強かったのは友ケ島(和歌山市)の36・2メートルだった。 和歌山地方気象台によると、暴風警報の基準は「風速がこの値以上に到達すると重大な災害が発生する恐れがある」という値を設定しており、今回は、最大風速が陸上で20メートル、海上で25メートルを超える恐れがあったという。2日は高気圧に覆われておおむね晴れる見込み。
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