講師の松島昭司さん(左)から説明を受ける自然観察会の参加者たち＝12日午後、於茂登岳山頂(市教委文化財課提供)

　5月に繁殖期を迎える県指定天然記念物のチョウ「アサヒナキマダラセセリ」の産卵の様子や、於茂登岳に生息する動植物を観察しようと、石垣市教育委員会文化財課は12日、於茂登岳で自然観察会を開き、小学生から70代までの市民ら23人が参加した。

　参加者は午前9時半に於茂登岳山頂を目指して出発。昼食後の山頂では、同チョウの吸蜜行動や、食草のリュウキュウチクで羽化を控えるさなぎなどが観察でき、参加者は講師の松島昭司さんらの説明に熱心に耳を傾けていた。

　登山中はアカショウビンやサンコウチョウの鳴き声も。ヤンバルアワブキなどの葉を食べるスミナガシの幼虫が外敵の目を欺くために作る「カーテン」と呼ばれる巣も観察した。アジサイの仲間で満開を迎えているカラコンテリギや、つる性のコンロンカは白い装飾花が特徴で、参加者の目を和ませた。

　この日は天候に恵まれ、頂上では平久保や名蔵、白保など石垣島の方々を見渡すことができた。