到着した観光客に移動禁止植物などの説明が書かれたパンフレットを配布する職員＝２３日午前、南ぬ島石垣空港到着ロビー

　南西諸島を中心に沖縄県内などで発生し、サツマイモやかんきつ類などの農作物に被害を与えている病害虫の拡大を防止しようと農林水産省那覇植物防疫事務所石垣出張所（河野眞治出張所長）は２３日、南ぬ島石垣空港到着ロビーで持ち出し禁止植物などが書かれたパンプレットを観光客らに配布した。

　同省では毎年、ゴールデンウイークと夏休み、年末年始に合わせて年に３回、全国一斉の広報強化週間を実施。今回は２２日から２６日の５日間、本土からの到着便に合わせてパンフレットとポケットティッシュを配布する。

　県内ではアリモドキゾウムシやイモゾウムシ、カンキツグリーニング病菌などが発生しており、これらが県外に出た場合は農産物に大きな被害が出る。静岡県浜松市の一部地域では、経路は分かっていないが、アリモドキゾウムシが発生。同省の規制により、同地域のサツマイモが栽培できない状態となっている。

　一方、鹿児島県の徳之島ではカンキツグリーニング病菌の根絶に成功。４月２２日からかんきつ類の持ち出しが可能となっている。 　河野出張所長は「一度、侵入すると根絶するには大変な労力を要する。規制のかかる植物を持ち出さないよう理解と協力を」と呼びかけている。