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趣ある旧家に”甘味処”開店 丸多田中屋11代百瀬博子さん 長野県諏訪市

江戸中期~昭和初期の旧家の趣を醸す丸多田中屋の甘味処=諏訪市諏訪2

 江戸中期から昭和初期に建てられた土蔵や住居、茶室が今も現存する、長野県諏訪市諏訪2の老舗・丸多田中屋。同店11代目を継ぐ料理研究家の百瀬博子さん(74)は、旧家の建物を活用して甘味処(どころ)を開いた。入り口は国道20号に面し、店内はかつての座敷の雰囲気をそのまま残す。周辺はお休み処が少ないだけに、癒やしのスペース、にぎわいの一助として地域からも期待されている。

■江戸~戦前の蔵や茶室現存

 丸多田中屋は江戸時代中期、高島藩の御用商人として初代土橋由兵衛が創業。戦後塩が専売に変わるまで、塩や大豆の商いを大規模に繰り広げ、今は同店が生家の百瀬さんが雑穀や油脂の販売を継続する。

■15年前に土蔵活用し食事処

 同家は昭和初期まで屋敷内に7棟の土蔵があり、現在も1806(文化3)年に建てられた蔵をはじめ4蔵がある。15年前百瀬さんは、「街の活性化に何かしたい」と、土蔵を活用した食事処「丸多田中屋お休み処・六三」を開店。父親の六三郎さんから仕込まれたそば打ちの技を生かし、季節の料理を添えてのもてなしが話題となり、街づくりの情報発信、交流の場としても注目されている。

■旧家をバリアフリーに改装

 甘味処は誰もが気軽に立ち寄れる居場所として昨年から改装を始め、このほど完成。お汁粉、ぜんざいなどを提供する。店内は床を張ってバリアフリー化し、本床や渋沢栄一、高僧の書はそのまま残した。奥に見える中庭には6代目に嫁いだていさんが、生家から持参したという松の古木があり、旧家の雰囲気を一層引き立てている。

 早速訪れた友人らは、「丸多田中屋を凝縮した空気感が漂い、輪島塗の漆器も日常の雑事を忘れさせてくれる」と会話を弾ませた。

■癒やしの空間 誰もが気軽に

 百瀬さんは「地域の人や観光で訪れた人たちに癒やしの空間、お休み処になればうれしい」と話している。

 甘味処は午前11時~午後3時。日曜、第1、第4水曜は定休。手打ちそばは要予約。問い合わせは同店(電話0266・52・0122)へ。

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