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北羽新報社

能代市内唯一の醤油蔵元「原田醸造店」今春で自主廃業へ

ひっきりなしに訪れる買い物客。能代市通町の「原田醸造店」の店内には数々の表彰状が飾られている

自主廃業する「原田醸造店」。これで醤油蔵元は市内から姿を消す

 まろやかな味の醤油(しょうゆ)と完熟味噌(みそ)で市民に親しまれてきた能代市通町の老舗店「原田醸造店」(原田長勝代表)が今春で自主廃業する。地域の人口減少で需要が減り、後継者もいないことから昭和初期から87年間守り継がれてきた屋号「マルチョウ」の看板を下ろす。これで市内の醤油蔵元は1軒もなくなる。閉店の話を聞きつけた客が殺到したことで商品が売り切れになったため、いったん休業し、3月10日以降の再開を目指す。

 同店は昭和12年に原田代表(88)の父長七さんが創業。醤油本来のうま味を残しながら塩分を抑えた「おさしみしょうゆ」、麺類やおひたし、煮物などに使えるカツオ風味の万能調味料「味ゆたか」、県産大豆とコメを使用し8~10カ月間、桶(おけ)の中でじっくり熟成させた「吟醸みそ」などを製造・販売してきた。
 2代目代表の原田さんは味噌製造一級技能士の資格を持ち、卓越した技術が認められ「秋田の名工」に選ばれた。県味噌醤油品評会醤油の部で連続30回入賞し、農林水産大臣賞(みそ部門)など多数の受賞歴があるほか、県味噌醤油品評会審査員を務め本県の味噌・醤油醸造技術の向上に尽力。県産原料を使用した「秋田まるごとみそ」を開発した「まるごと秋田みそ研究会」の代表も務め、安全・安心な秋田の味噌を全国に売り出すことにも精力を注いだ。
 店頭販売のほか能代山本のスーパーなどに出荷し、平成初期には年間3千万円ほどの売り上げがあった。しかし地域の人口減少に伴い需要が減り、最近の売り上げは年間で1千万円程度まで落ち込んでいたという。代表自身の高齢化もあり、事業の継続は困難だとして自主廃業することを決めた。
 原田さんは当初、昨年12月で閉店するつもりだったが、常連客の要望で2月末に延期。2月25日掲載の新聞広告などで閉店を知った客が店に殺到、商品が完売し十分に応じられない状況に。購入を求める声がやまなかったため、閉店を今春に延ばすことにした。
 店頭には商品を買い求める人で行列ができた。同市東能代地区の60代主婦は「マルチョウの醤油は40年使っているが、ほかの醤油とは全然違う。甘みがあり、まろやか。なくなると困る」と残念がる。閉店の新聞広告を見て初めて同店の醤油を購入したという近所の40代女性は「本当においしい。もっと早く出合いたかった」と悔やんだ。
 休みだった25日も店には電話で30件以上の問い合わせがあり、客から「店をやめないでほしい」と継続を望む声が相次いだ。原田さんは「ありがたい反応だが、人口減で客が減り、息子も違う仕事をしていて後継者がいないため、店を閉めることにした」と苦渋の決断を語る。
 26日は終日にわたって客が詰め掛け、約200人が来店。商品をすべて売り尽くしたため、製造や準備作業のため27日から臨時休業し、3月10日以降に再開する。商品のラベルを外注する必要があり、再開が遅れる可能性もあるという。
 製造では麹(こうじ)作りにこだわってきたという原田さんは「寒い冬の真夜中でも、布団から起きて1回は作業蔵の麹を確認する。麹の出来で味が全然変わってくる」と職人気質。市内に残った最後の醤油屋を畳むことに「申し訳ない気持ち。長いご愛顧に、お客さまには感謝の言葉しかない」と目頭を熱くした。

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